学校歯科健診で「歯並び・かみ合わせ」を指摘されたら?受診前の準備
瑞穂区の歯ならび・こどものお口ノート
健診の用紙は、すぐ矯正を始める指示とは限りません。通知を持って、今の状態と次の対応を確認しましょう。
当院の院長は宮澤平(歯学博士・日本矯正歯科学会 認定医)です。院長の経歴・資格を見る
学校健診で歯並びを指摘されたら、すぐ矯正が必要ですか?
学校健診で指摘されても、すぐ矯正が必要とは限りません。通知は詳しく状態を確認するきっかけで、治療の必要性や時期は診察で判断します。
学校から歯科健診の結果を持ち帰り、「歯並び・かみ合わせ」や「歯列・咬合」の欄に印があると、すぐ矯正が必要なのか心配になるかもしれません。まず知っておきたいのは、健診で指摘されたことと、個別の検査を経て治療方針が決まることは別だという点です。
学校での健診は、多くの子どもを対象に、お口の健康上の問題を見つけて受診につなげる機会です。その結果だけで、使う装置、治療期間、費用が決まるわけではありません。通知票を持って受診し、現在の状態と次の対応を確認します。[1]
瑞穂区で子どもの小児矯正を検討する保護者の方へ、この記事では通知を受け取ってからの準備、診察で聞きたいこと、経過観察になったときの考え方を整理します。通知の表記は学校や使用する様式によって異なるため、分からない略語は推測せず、用紙をそのまま見てもらいましょう。
学校健診の「歯列・咬合」とは、何のことですか?
歯列は歯が並ぶ状態、咬合は上下の歯のかみ合わせを指します。歯が重なっている、上下の前歯が逆にかむ、前歯が閉じないなど、さまざまな状態が確認の対象となります。日本矯正歯科学会も、不正咬合の例として複数のタイプを紹介しています。[2]
通知を見た段階で、家族が定規で歯のすき間を測ったり、歯を強くかみ合わせて写真と比べたりする必要はありません。学校健診の判定基準を自宅で再現して診断するものではないためです。歯並びの見た目と、食べ方や歯磨きの困りごとを分けて把握すると、受診の準備になります。
本人には「悪い歯並びだった」「治さないと大変」と強く伝えるより、「歯の生え方とかみ合わせを、もう少し詳しく見てもらおう」と説明してみましょう。通知が来たことは、子どもの努力不足や保護者の見落としを責めるための出来事ではありません。
学校歯科健診の通知票では、どこを確認しますか?
最初に、どの項目に印や記載があるかを確認します。歯並び以外にも、むし歯、歯肉、歯垢などの欄があれば、一緒に見ておきましょう。歯並びの相談だけに意識が向くと、同時に確認してほしい別の項目を忘れることがあります。
続いて、受診結果を書いて提出する欄があるか、学校への提出方法が示されているかを確認します。記載の方法は学校の案内に従い、記入が必要な原本を受診時に持参してください。写真だけでは記入できないこともあるため、用紙そのものを持っていくと確実です。
- 健診を受けた日、または通知された日。
- 指摘された項目と、先生の記載。
- 学校へ返す用紙の有無。
- 以前にも同じ指摘があったか。
- すでに通院している場合、次の予約日。
日付や用紙が分からなくなった場合は、学校へ確認できます。見つかるまで歯の痛みなどを放置する必要はありません。症状がある場合は、そのことを先に歯科へ伝えてください。
学校健診後に歯科を予約するときは、何を伝えますか?
予約の際には、学校健診で歯並び・かみ合わせを指摘されたこと、通知票があることを伝えます。歯科で詳しい相談をしたいのか、すでに治療中で経過を確認したいのかも伝えると、目的が整理できます。
また、痛み、腫れ、歯をぶつけたこと、食事が難しいなどの症状がある場合は、歯並びの指摘より先に知らせましょう。学校の通知と症状が同じ原因とは限りません。緊急性の判断に必要な情報を分けて伝えることが大切です。
通いやすい時間だけでなく、説明を一緒に聞く保護者の予定も考えておくと役立ちます。最初の相談で治療を契約しなければならないということではありませんが、本人だけでは分からない既往歴や過去の歯科治療を伝えられる人が同行すると確認が進めやすくなります。
歯並びの受診前に、普段のお口の様子をどう整理しますか?
学校健診の結果に加えて、家庭で気になっている点を三つ程度に絞ってメモします。歯並びの形を医学用語で表す必要はありません。「前歯で麺を切りにくそう」「磨くときに同じ所が重なっている」など、生活の場面で説明できます。
指しゃぶり、おくちポカン、舌の出し方なども、気になる場合は伝えます。ただし、習慣があるから歯並びの原因がそれに違いない、と決めつけないようにしましょう。家族に似たかみ合わせがあるか、過去に歯をぶつけたか、乳歯の治療をしたかも、分かる範囲で整理します。
本人が困っていることと、保護者が心配していることは違う場合があります。「見た目が気になる」「食べにくい」「特に困っていない」など、本人の言葉もそのまま残しましょう。歯科での説明を子どもが理解できる形にするための大切な情報です。
学校健診後の診察では、何を確認しますか?
相談では、問診、お口の診察、必要に応じた写真や画像検査などを通して状態を確認します。どの検査が必要かは個別に判断します。通知票があるから全員に同じ検査一式を行う、という意味ではありません。[1]
生え変わり中の子どもでは、乳歯と永久歯が混ざっています。見えている歯の凹凸だけでなく、歯の数や生える位置、これからの変化を考慮します。発育期の歯列に関するAAPD指針も、歯列の段階と治療時期・順序を踏まえることを重視しています。[4]
診察の説明は、「何という歯並びか」「生活や将来の管理で何が問題か」「今必要な対応は何か」に分けて聞くと理解しやすくなります。知らない言葉が出たら、図やお口の写真でどの部分かを示してもらって構いません。診断名だけを持ち帰るより、その意味が分かることが重要です。
学校健診の指摘後は、すぐ治療する場合と経過を見る場合がありますか?
学校で指摘を受けた子ども全員が、同じ年齢から同じ装置を使うわけではありません。今の段階で取り組む必要がある場合も、次の生え変わりや成長を確認して判断する場合もあります。治療をするかどうかだけでなく、選ぶ理由を確認しましょう。
経過観察と言われた場合は、次の三点を聞くと行動が明確になります。「いつ再診するか」「何の変化を確認するか」「予定前に連絡する症状は何か」です。何も問題がないという意味なのか、今はまだ判断を待つという意味なのかも確かめます。
反対に、治療を提案された場合は、今始めることで何を目指すか、待つ場合に何が変わる可能性があるかを聞きます。保護者が不安を抱えたまま急いで決める必要はありません。理解できない点を質問し、必要に応じて別の専門的な意見を求めることもできます。
学校健診の通知があれば、矯正に保険が使えますか?
「学校で指摘されたから保険で歯並びを治せる」とは限りません。矯正治療の保険適用には条件があり、通知票があることだけで決定しません。2025年の両学会の資料でも、学校健診をきっかけとした相談・診断と、保険適用の可否の判断が区別されています。[1]
相談や検査にかかる費用と、その後の治療費も分けて確認します。制度や算定の扱いは改定されることがあるため、この記事では保険点数や一律の相談料金を掲載していません。当院での実際の取扱いは、予約時と受診時の説明でご確認ください。
子ども医療費の助成がある場合も、すべての自由診療の矯正費用が助成対象になるという意味ではありません。費用の見通しを立てるときは、検査、装置、調整、保定、追加の治療に進む場合の扱いを確認し、何が含まれる金額かを整理しましょう。
歯並びと一緒に、おくちポカンや食べ方も相談できますか?
歯並びと一緒に、おくちポカンや食べ方の気がかりも相談できます。普段どんな場面で気づくかを、通知票の内容と合わせて伝えましょう。
歯並びの通知をきっかけに、食事の時間、飲み込み方、唇の閉じ方が気になり始めることもあります。こうした困りごとは、診察で一緒に伝えられます。ただし、口の機能への支援と、歯を動かす矯正治療を同じものとして考えないことが大切です。
日本小児歯科学会は2026年の声明で、口腔機能の治療は食べる・話すなどの機能を育てる目的であり、矯正装置による歯列矯正とは区別すると説明しています。[5] 「おくちポカンだから必ず高額な装置が必要」といった結論を、症状の言葉だけで決めないようにしましょう。
当院では、小児歯科の診療範囲として口腔機能管理やMFTも扱います。鼻づまり、いびき、食事中のむせなどがあれば、その様子も伝えてください。すべての原因が歯並びにあるとは限らず、必要に応じて他の診療科への相談を検討することもあります。
すでに矯正治療中でも、学校から通知が来たら相談しますか?
すでに矯正治療中でも、健診で歯並びに関する記載がされることがあります。それだけで現在の治療が失敗していると判断しないでください。治療の途中では、最終的に目指すかみ合わせにまだ達していないこともあります。まず担当医に通知を見せて確認します。
装置の使い方や予約を、学校の通知を理由に自分で変更する必要はありません。気になる点は「今回この欄に印がありましたが、現在の計画ではどう考えますか」と具体的に聞けます。学校への報告が必要なら、書式と期限も一緒に伝えましょう。
むし歯など別の項目が指摘された場合は、その評価も必要です。矯正の通院をしていることだけで、すべての健診項目への対応が済んだとは限りません。どこで何を確認しているかを家族で整理し、重複や見落としを防ぎましょう。
学校健診後の受診が終わったら、何を本人と共有しますか?
今回確認したこと、家で気をつけること、次の受診予定を本人と共有します。学校へ返す用紙と、家庭で使うメモは分けて管理しましょう。
説明を受けた後は、学校へ返す用紙と家庭用のメモを分けて管理すると便利です。「今回分かったこと」「次にすること」「次回の予定」を短く書き残します。歯科医師の説明が曖昧なままなら、そのまま提出を急ぐより確認してください。
本人にも、年齢に合う言葉で次の予定を伝えます。「次は歯の生え方を見る」「装置を使う練習をする」など、何が起きるか分かると準備しやすくなります。「歯並びが悪いから通う」という表現だけを繰り返す必要はありません。
家庭での歯磨きは、通知があった場所だけでなくお口全体を続けます。重なっている歯や生え途中の奥歯は、磨き方の確認も有用です。学校健診は毎日の予防の代わりではなく、日常のケアと歯科での評価をつなぐ機会として活用しましょう。[3]
学校健診の通知をなくしても、歯科を受診できますか?
通知票がなくても、受診をあきらめる必要はありません。学校に内容や再発行を確認し、歯科には用紙が見つからないことを伝えてください。
用紙が見つからない場合は、学校に再発行や内容の確認が可能か尋ねます。同時に歯科へ「歯並びの指摘があったが用紙を紛失した」と伝え、受診の準備を相談できます。学校名や健診の時期が分かれば、その情報も残しましょう。
以前の通知、現在のお口の症状、すでに治療中かどうかは別々の情報です。書類が揃っていないことを理由に、腫れや痛みへの対応を遅らせないでください。受診結果の学校への提出については、後からどのように手続きをするか確認すれば、医療上の対応と事務手続きを整理できます。
よくある質問
痛みがなければ、通知を無視してよいですか?
痛みだけで歯並びや生え方の問題を判断することはできません。通知内容を確認し、歯科へ受診の相談をしてください。治療するかどうかは診察後に決まります。
昨年は何も言われませんでした。急に悪くなったのですか?
生え変わりや成長で見え方が変わることがありますが、通知だけで変化の原因は分かりません。過去の結果があれば今回と一緒に持参し、現在の状態を確認します。
学校の用紙に期限があるので、すぐ装置をつける必要がありますか?
提出期限と治療開始の時期は別に考えます。学校への報告方法を確認し、治療は診断と説明に基づいて決めます。期限に間に合わない場合は学校への連絡も検討してください。
小児矯正の相談で、必ず契約が必要ですか?
相談は状態や選択肢を知るための機会です。実際の相談の流れと費用は予約時に確認できます。説明を理解しないまま治療を決めず、疑問を整理して判断しましょう。
瑞穂区で学校健診後の歯並びを相談するには、どうしますか?
持参したいのは通知票、これまでの治療情報、本人と保護者が気になることのメモです。診察では、現在の状態、今必要な対応、次の確認時期を持ち帰れるようにしましょう。
瑞穂みやざわ矯正歯科こども歯科では、小児歯科と小児矯正を診療項目としています。学校健診の指摘をきっかけに、歯並びだけでなく、磨きづらさや食べ方についての疑問もお伝えください。
DOCTOR PROFILE
当院の院長について
瑞穂みやざわ矯正歯科こども歯科
院長 宮澤 平
歯学博士 / 日本矯正歯科学会 認定医
矯正歯科を専門に学び、歯並びに加えて、むし歯予防・口腔機能・成長発育を含むお口全体の健康を大切にしています。小児歯科・小児矯正・成人矯正を通じて、成長段階に合わせた診療を目指しています。
経歴
- 愛知学院大学歯学部 卒業
- 昭和医科大学 歯科矯正学講座 入局
- 昭和医科大学 大学院 歯学研究科 歯学博士号 取得
- 昭和医科大学 歯科矯正学講座 勤務・助教(歯科)
- 日本矯正歯科学会 認定医 取得
- 昭和医科大学 歯科矯正学講座 非常勤
所属学会
日本矯正歯科学会/日本小児歯科学会/日本顎変形症学会/日本口蓋裂学会/日本舌側矯正歯科学会
プロフィールは当院公式サイトの医師紹介に基づき掲載しています(2026年9月14日確認)。大学名は公式サイトの表記に準じています。
参考文献・根拠資料
学会・公的機関の資料や学術論文を参照しています。本文の番号から対応する資料を確認できます。