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2026/09/25

矯正中にMRI検査は受けられる?ワイヤー・リテーナーと事前確認|瑞穂区

瑞穂区の歯ならび・こどものお口ノート / 35

MRIの予定が決まったら、装置の情報を病院と矯正医院へつなぎましょう。

当院の院長は宮澤平(歯学博士・日本矯正歯科学会 認定医)です。院長の経歴・資格を見る

01矯正中でもMRI検査を受けられますか?

矯正装置があるだけで一律に受けられないわけではありませんが、検査できるか、装置を外すかは個別の確認が必要です。検査の予約が決まったら、MRIを行う病院と矯正の担当医院の両方へ知らせてください。

「金属の装置があるのでMRIは無理ですか」「ワイヤーだけ外せばよいですか」という疑問には、装置の名前だけでは答えきれません。何を調べるために、どの場所を、どの条件で撮影するのかによって必要な対応が変わります。装置を着けたまま検査する場合もあれば、一部または全部の取り外しを検討する場合もあります。

MRIは強い磁場と電波を利用する検査です。神戸大学病院の案内でも、体内に金属がある場合には検査を受けられないことがあり、素材が分からない場合も確認が必要と説明されています。まず検査担当者に装置の存在を伝えることが出発点です。[1]

このページでは、矯正中の方が検査前に何を伝え、どの順番で相談するかを整理します。個々の装置についてMRIの安全性を証明する資料ではありません。検査を受ける施設の判断と、実際の装置に関する担当医の確認を優先してください。

02金属の危険性と、画像が乱れることは同じ問題ですか?

別の確認事項です。装置が磁場などの影響を受けないかという安全面と、目的の場所が診断できる画像になるかという画質の面を、それぞれ検討します。

MRIの画像に、本来の体の形とは異なるゆがみや見えない部分が生じることを「アーチファクト」といいます。歯科の金属があると、周囲の画像に影響する場合があります。仮に装置が安定して固定されていても、撮りたい場所が見えにくければ、検査の目的を十分に果たせないことがあります。

2015年の研究では、1.5テスラのMRIで複数の矯正装置と撮影方法を比較し、素材や撮影方法によって画像への影響が異なることが示されました。人体での確認は1人という限界があり、この研究から「この装置なら誰でも外さなくてよい」とは決められません。[2]

一方、装置の温度変化や磁場による力を扱った研究は、画像の見やすさを調べた研究とは評価対象が違います。インターネットで「影響が少なかった」と書かれていても、安全面なのか画質なのか、どの装置・条件での結果なのかを分けて読む必要があります。患者さん自身が論文を使って検査の可否を判断する必要はなく、分からない点を病院へ伝えることが大切です。

03頭や首のMRIと、膝などの検査では対応が違いますか?

撮影する部位や診断の目的によって、矯正装置が画像に与える影響の意味は変わります。ただし、口から離れた部位だから事前申告が不要になるわけではありません。

口の周囲、顎、顔、頭頸部の検査では、歯科の装置と調べたい場所の位置関係が特に問題になります。同じ頭部の検査でも、どの組織をどの撮り方で確認したいのかが違えば、必要な画質や許容できる影響も変わります。「頭なら全部不可」「脚なら全部可」という表だけでは整理できません。

2018年の日本の研究グループによる研究では、健康な成人16人を対象とした3テスラの口腔領域のMRI動画で、装置に含まれる金属が画像や計測に影響しました。ただし、発音時の口の動きを調べる条件での研究であり、一般的なすべての頭部MRIへ同じ結果を当てはめることはできません。[3]

予約の際は、分かる範囲で「頭のMRI」「膝のMRI」と伝え、検査依頼書や予約票の内容を確認します。詳しい撮影条件を知らなくても問題ありません。「部位は分かりますが、装置の条件は分かりません」とそのまま伝えれば、検査側が必要な情報を整理できます。

04ワイヤー矯正・裏側矯正・マウスピース矯正で確認点は違いますか?

違いますが、表側・裏側・透明といった見た目だけで検査可能とは判断できません。取り外せる部分と固定されている部分、素材、併用している装置を一つずつ確認します。

現在の状態 事前に伝えたいこと
表側のブラケットとワイヤーがある 上下どちらか、装置の種類、外れやゆるみの有無
裏側のブラケットとワイヤーがある 歯の裏側にも固定装置があること、使用素材の確認先
マウスピース矯正中 取り外せるアライナーのほか、歯に付く部品や併用装置の有無
矯正後の保定中 取り外し式だけか、歯の裏側に固定ワイヤーもあるか

透明な装置を使っていても、口の中に別の金属部品がないとは限りません。白いブラケットにも種類があり、ワイヤーや付属部品まで同じ素材とは限りません。自分の記憶で「金属はありません」と断言するより、「この治療をしているので確認したい」と伝えましょう。

当院の成人矯正では、インビザラインと表側・裏側のブラケット矯正を扱います。治療法を比較するときには、マウスピース矯正の診療案内もご覧ください。MRIの予定がある場合は、その予定も治療相談時に共有し、特定の装置ならどのMRIでも問題ないと考えて選ばないことが大切です。

05リテーナーだけになったら、病院への申告は不要ですか?

保定中でも申告してください。特に歯の裏側に接着された固定式リテーナーは、目立たず取り外せない装置として確認が必要です。

歯を動かす治療が終わると「矯正装置はもう外れた」と説明したくなるかもしれません。しかし、表側のブラケットがなくても、裏側には細いワイヤーが残っていることがあります。取り外し式リテーナーと併用している方は、両方あることを伝えます。

2005年の研究では、1.5テスラのMRIの磁場による力を複数の矯正用ワイヤーで調べ、素材などによる違いを報告しています。固定式リテーナーでは接着状態の確認にも言及しています。これは特定の装置・条件での研究であり、今使っている装置の個別の適合性を保証するものではありません。[4]

少し浮いている、舌に引っかかる、接着剤が欠けた気がするといった変化があれば、検査前にそのまま申告します。病院へ知らせるために自分でワイヤーを引っ張って確かめたり、接着部分をはがしたりしないでください。普段から記録や説明書を保管しておくと、矯正終了から年数がたっていても確認先を探しやすくなります。

06MRIを予約したら、どちらの医院へ先に連絡すればよいですか?

検査する病院へ矯正装置があることを早めに伝え、求められた情報を矯正医院へ確認する流れが基本です。検査日が近い場合は、両方へ日程を知らせて調整します。

電話では「○日にMRIの予約があり、歯に取り外せない矯正装置があります。装置の資料や取り外しの確認が必要でしょうか」と伝えると、用件が明確になります。病院から必要な情報を指定されたら、その項目をメモし、矯正医院へ伝えます。分からない言葉は言い換えて推測せず、文面や書類で確認すると行き違いを減らせます。

  1. 病院名、検査日、分かる範囲の撮影部位を手元に用意する。
  2. 病院のMRI担当窓口へ、固定・取り外し式を含め装置があることを申告する。
  3. 素材や製品情報など、病院が確認したい項目を聞く。
  4. 矯正医院へその内容と検査日を伝え、記録の確認や診察を相談する。
  5. 病院へ確認結果を戻し、当日の対応を確かめる。

検査を受ける方が子どもであれば、保護者が窓口や資料を整理します。別の病院からの紹介でMRIを受ける場合には、紹介元に伝えただけで撮影施設にも情報が届いていると思い込まず、予約票の連絡先で確認しておきましょう。NHSの一般向け案内でも、MRI前には金属などについての問診が行われると説明されています。[5]

07「ワイヤーを外して」と言われたら、自分で外してよいですか?

固定されたワイヤーやブラケットは自分で外さず、矯正医院へ依頼してください。何をどこまで外す必要があるかを確認し、検査後の再装着も含めて予定を立てます。

「装置を外してください」という説明が、取り外し式のマウスピースを指すのか、固定ワイヤーを指すのか、ブラケットも含むのかで対応は大きく違います。患者さん側で意味を補わず、病院が求めている内容を確認しましょう。ワイヤーだけ外したことで、ブラケットによる画像への影響までなくなるとは限りません。

固定装置をペンチで切る、接着剤を削る、部品を引き抜くことは、口のけがや装置の破損につながります。予約日が近くても自己処置で間に合わせず、病院に事情を伝えてください。装置を外す処置の範囲、検査前の来院日、検査後の来院日をまとめて相談すると、装置がない期間を管理しやすくなります。

一時的な取り外しや再装着の費用、治療予定への影響は、装置や処置の内容によって異なります。当院で無料、当日に必ず対応可能、治療期間への影響なし、とは一律に案内できません。必要な処置が具体化してから、費用と日程の説明を受けてください。

08以前MRIを受けられたなら、今回も同じでよいですか?

前回の経験は参考になりますが、今回の安全確認を省略する理由にはなりません。装置の変更、接着状態、撮影部位、MRIの条件が前回と違う可能性があるためです。

矯正中にはワイヤーや付属部品が変わることがあります。見た目があまり変わらなくても、前回と同じ構成とは限りません。また、同じ病院でも撮影する場所や目的が違えば、求められる対応が変わる場合があります。

「昨年は装置を着けたまま検査しました」という情報は、年月、施設、撮影部位が分かれば一緒に伝えるとよいでしょう。そのうえで、今回は改めて確認したいと伝えます。以前の検査中に口元の熱さ、引かれる感じ、不快感などがあった場合も、申告を控えないでください。

検査当日は問診に正確に答え、外すよう指示された取り外し式装置を保管できるケースも用意します。検査中に気になる変化が出たら我慢せず、事前に説明された方法で担当者へ知らせます。検査が終わったあと装置の違和感があれば、撮影前との違いを記録して矯正医院へ相談しましょう。

09検査が急に必要になったときや、これから矯正を始める場合はどうしますか?

急な検査では医療上の必要性を優先し、装置があることを直ちに担当者へ伝えてください。これから矯正を始める方でMRIの定期検査予定がある場合は、初診時からその情報を共有します。

急な体調変化で病院を受診したとき、矯正医院へ電話がつながらないからといって、必要な救急受診を遅らせないでください。検査の時期や方法をどうするかは、その場の医療チームが判断します。患者さんは分かる範囲で、装置の種類、治療先、最後に調整した時期を伝えます。

定期的なMRIが予定されている場合は、矯正開始前に検査の予定を共有しておくと、後から連絡先や装置情報を探す負担を減らせます。ただし、将来のすべての検査を予測したり、MRIのためだけに治療法を決めたりするのは現実的ではありません。歯並びやかみ合わせの適応と、通院・検査の事情を一緒に相談することが大切です。

瑞穂区で矯正治療をご検討の方も、治療途中の方も、検査予定が分かった段階で担当医院にお知らせください。病院名・検査日・装置の状況・確認してほしい事項がそろっていると、相談を進めやすくなります。「矯正中だから諦める」「装置が小さいから申告しない」のどちらでもなく、必要な情報をつないで判断を受けましょう。

当院の院長について

瑞穂みやざわ矯正歯科こども歯科 院長 宮澤平

瑞穂みやざわ矯正歯科こども歯科 院長

宮澤 平

歯学博士
日本矯正歯科学会 認定医

経歴

  • 愛知学院大学歯学部 卒業
  • 昭和医科大学 歯科矯正学講座 入局
  • 昭和医科大学 大学院 歯学研究科 歯学博士号 取得
  • 昭和医科大学 歯科矯正学講座 勤務・助教(歯科)
  • 日本矯正歯科学会 認定医 取得
  • 昭和医科大学 歯科矯正学講座 非常勤

所属学会

日本矯正歯科学会・日本小児歯科学会・日本顎変形症学会・日本口蓋裂学会・日本舌側矯正歯科学会

院長情報は医院公式サイトの掲載情報に基づきます。

参考文献・根拠資料

学会・公的機関の資料や学術論文を参照しています。本文の番号から対応する資料を確認できます。

  1. 神戸大学医学部附属病院 放射線部:MRIの案内
  2. Zachriatら:1.5テスラMRIにおける矯正装置のアーチファクト(2015、実験・人体比較研究)
  3. Ozawaら:3テスラMRI動画への矯正装置の影響(2018、成人16人の研究)
  4. Klockeら:1.5テスラMRIにおける矯正ワイヤーと磁場の相互作用(2005、実験研究)
  5. NHS:MRI scan(検査前の確認)

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