子どもの歯みがきで歯ぐきから血が出る?歯肉炎・磨き方・受診の目安|瑞穂区
瑞穂区の歯ならび・こどものお口ノート / 59
歯みがきで血がついたら、歯ぐきの状態と磨き方を確認しましょう。繰り返す出血や腫れは、少量でも相談して構いません。
当院の院長は宮澤平(歯学博士・日本矯正歯科学会 認定医)です。院長の経歴・資格を見る
01子どもの歯みがきで血が出るのは、歯肉炎のサインですか?
歯と歯ぐきの境目に汚れが残り、歯ぐきに炎症が起きている可能性があります。ただし、歯ブラシによる傷や生え替わりなども関係するため、出血だけで原因を決めることはできません。
仕上げみがきで歯ブラシに血がつくと、「強く磨きすぎたのかな」「このまま磨いてよいのかな」と戸惑います。日本小児歯科学会は、歯ぐきの炎症があるとブラッシングで出血しやすくなり、汚れを取り除くことが改善につながると説明しています。血が出たからといって、その場所をずっと避けるのは適切ではありません。[1]
まず見てほしいのは、歯そのものよりも歯ぐきの縁です。赤みやふくらみ、同じ場所から繰り返す出血がないかを確認しましょう。反対に、歯ブラシが滑って一度だけ傷つけた場合などは、状況が異なります。「いつ、どこで、何をしていたときに出たか」が診察の手掛かりになります。
少量だから放置してよいとも、出血したから重い病気だとも限りません。写真だけで歯肉炎の程度や歯を支える組織の状態までは判断できないため、繰り返す場合は小児歯科で確かめましょう。
02乳歯の時期でも歯ぐきの病気になるのですか?
乳歯の時期にも歯肉炎は起こります。むし歯がないことと、歯ぐきが健康であることは別々に確認する必要があります。
歯垢は食べかすだけではなく、細菌を含む付着物です。歯の表面が白くきれいに見えても、境目や歯と歯の間には汚れが残ることがあります。保護者が毎日仕上げみがきをしていても、同じ場所に毛先が届きにくい状態なら、磨いているつもりの部分に取り残しができます。誰かの努力不足と決めつける必要はありません。
子どものお口は、歯の本数や高さが変わる途中にあります。以前は簡単に磨けていた場所でも、新しい歯が生えると磨き方の調整が必要です。米国小児歯科学会も、小児の診察では歯ぐきの観察と、成長に伴う変化を区別した評価を重視しています。[2]
家庭では「穴がないから大丈夫」という確認に、歯ぐきの様子を一つ加えてください。歯科医院でむし歯がないと聞いたときにも、出血している場所があれば別に伝えて構いません。学校や園の健診の結果が手元にある場合は持参し、家庭で気づいた変化と併せて相談すると整理しやすくなります。
03血が出たら、その場所の歯みがきはやめたほうがよいですか?
強くこするのは避けますが、軽い出血を理由に何日も清掃をやめないようにしましょう。痛みが強い、出血が続くなど、無理なく磨けない場合は受診して方法を確認してください。
歯肉炎で敏感になった場所を、硬いブラシや大きな力で磨けば、清掃自体がつらくなります。小さく動かし、歯の表面と歯ぐきの境目に毛先が届くようにします。「血を出し切れば治る」と考えて押しつけたり、歯ぐきを爪や器具でこすったりする必要はありません。[1]
普段の歯ブラシを受診時に持っていくのもよい方法です。毛先が広がっていないか、大きさが合っているか、保護者の手元から見えにくい場所がないかを具体的に確認できます。説明を聞くだけでなく、困っている場所を指して「ここを磨くと嫌がります」と伝えると相談が進みます。
嫌がるお子さんには、出血を何度も見せて怖がらせるより、「痛いところを教えてね」と声をかけましょう。体が動く状態で無理に奥までブラシを入れると危険です。全部を一度に仕上げられない日は、どこまでできたかを把握し、できない場所への対応を歯科医院と一緒に考えます。
04歯が生え替わる時期の出血は、様子を見てもよいですか?
生えかけの歯の周囲に汚れがたまり、歯ぐきが炎症を起こす場合があります。ただし、生え替わりの時期だからといって、腫れや出血をすべて正常と判断しないでください。
新しい奥歯が手前の歯より低い位置にあると、歯ブラシを横に動かすだけでは届きにくいことがあります。歯ぐきが一部を覆っている場所も、どこに毛先を当てるか迷いやすいところです。日本小児歯科学会は、こうした萌出期の歯肉炎でも清掃が大切だと案内しています。[1]
一方、抜けそうな乳歯の周りから出た血なのか、その隣の歯ぐきから出た血なのかは、家庭では見分けにくいことがあります。無理に揺らしたり抜こうとしたりせず、本人がどこを気にしているかを確認しましょう。出血の説明をするために、わざと何度も刺激する必要はありません。
「いつからその歯がぐらついているか」「永久歯が見えているか」「噛むと痛むか」をメモしておくと役立ちます。生え方については歯の生え替わりの診療案内もご覧ください。腫れが増える、食べられないなどの変化があれば、生え替わりが終わるまで待たずに相談しましょう。
05歯ブラシだけでよいですか?フロスも使ったほうがよいですか?
歯と歯が接している場所は、歯ブラシだけでは清掃しにくいため、フロスなどの補助が役立ちます。お子さんの歯の間隔と、保護者が無理なく扱える方法に合わせて選びましょう。
出血を見つけた日に急にすべての道具を増やすより、どこに汚れが残っているかを確認することが先です。フロスを勢いよく歯ぐきへ落とすと傷つけるおそれがあるため、初めての場合や使うたびに痛がる場合は、実際の動かし方を教わりましょう。抵抗が強い場所へ力任せに押し込むことも避けます。
歯ブラシを使った本人の「磨いた」という実感と、十分に汚れが取れたかどうかは同じではありません。英国NHSも、子どもの歯みがきには保護者による手助けや見守りが必要だと説明しています。年齢だけで仕上げみがきを突然終えるのではなく、手の動かし方や磨き残しを見ながら役割を変えていきます。[3]
歯みがき粉やうがい薬だけで、歯と歯ぐきの境目の清掃を置き換えることはできません。むし歯予防のフッ化物と、歯肉炎に対する汚れの除去は役割が異なります。フッ化物を使った予防と併せ、毎日の道具の使い分けを相談してください。
06口臭や歯ぐきの腫れもあるときは、何を確認すればよいですか?
出血に加えて赤み、腫れ、痛み、口臭がある場合は、歯ぐきの状態を診てもらいましょう。白いできものや膿のようなものがある場合も、単なる磨き残しと決めつけないことが大切です。
英国NHSは、歯ぐきの出血や腫れ、痛みを歯科受診の目安に挙げています。見た目だけでは区別できない原因もあるため、「歯肉炎用」と書かれた市販品を試すことだけで受診を先延ばしにしないようにしましょう。[4]
観察するときは、左右で同じように腫れているのか、一か所だけ目立つのかを見ます。保護者が毎回口の中を触らなくても、食べ方や歯みがきの様子から分かることがあります。「右側で噛まなくなった」「同じ場所にブラシが触れると顔をしかめる」といった変化も有用な情報です。
歯ぐきに白いふくらみがあるときは、子どもの歯ぐきのできもの・フィステルも参考になります。できものをつぶしたり針で刺したりせず、そのまま診察を受けてください。症状が一度消えても、繰り返した経過は伝えましょう。受診日に見えなくなっていることもあるので、安全に撮れた写真があれば説明を助けます。
07どのような出血なら、早めの連絡が必要ですか?
出血が繰り返す場合は歯科へ相談し、強い痛みや大きな腫れがあれば早めに連絡してください。何もしていないのに血が出る、止まりにくい、全身にも気になる変化がある場合は、歯みがきだけの問題と考えないでください。
歯ぐきの状態を評価するときは、服薬や持病などの情報も必要です。米国小児歯科学会は、歯周組織の変化と全身の状態・薬剤との関係を考慮し、必要に応じて医科と連携することを勧めています。[2]
- 強い腫れや痛みで食事・歯みがきが難しい:早めに歯科へ連絡する。
- 歯ぐき以外にも出血やあざなど気になる変化がある:その内容を伝え、小児科への相談も検討する。
- 大量の出血や呼吸・意識の異常がある:通常の予約を待たず、救急の対応を求める。
これらは家庭で病名を判定するための一覧ではありません。迷ったときは、症状の始まりと今の状態を電話で伝え、受診の緊急度を相談するための目安です。かかりつけから出血に関する個別の指示を受けているお子さんは、その指示を優先してください。飲んでいる薬を、歯ぐきから血が出たという理由だけで自己判断で中止してはいけません。
08歯科医院では、どんなことを調べるのですか?
出血している場所、歯垢や歯石、歯ぐきの炎症、歯の生え替わりなどを確認します。検査や処置の内容は、年齢、協力度、症状に応じて決めます。
毎回一律に同じ検査をするとは限りません。まずはお口の中を見て、家庭での困りごとを伺い、歯ぐきだけの問題なのか、歯の状態にも確認が必要なのかを整理します。歯のぐらつきがある場合も、生え替わりに伴うものかどうかなど、背景を踏まえた評価が必要です。[2]
受診前に準備することは、特別な道具を買うことではありません。出血の開始時期、出る場所、頻度、痛みの有無、お薬の情報をまとめてください。強く磨いてきれいに見せようとせず、普段の様子を伝えるほうが、現実的なケアの相談につながります。
診察後には「今日は何が分かったか」「家庭でどこを変えるか」「次はいつ確認するか」を聞いておきましょう。必要な場合に行う画像検査については、子どものレントゲンの目的と頻度で説明しています。出血があるだけで必ず撮影するという意味ではなく、診察で得られた情報に応じて判断します。
09子どもの矯正中に歯ぐきから血が出たら、装置は外しますか?
装置を続けるかどうかは、出血の原因とお口の状態によって判断します。自分で装置を削ったり調整したりせず、担当の歯科医師に連絡してください。
装置の周りが磨きにくい場合と、装置の一部が歯ぐきに当たっている場合では、確認したい点が異なります。「付けたときだけ痛む」「外していても赤い」「いつも同じ縁から出る」といった情報を整理しましょう。装置を使用していることだけで、すべての出血を装置のせいにしないことも大切です。
取り外し式の装置を使っているお子さんは、受診時に装置も持参してください。家庭で装置を無理に曲げたり、削って当たらなくしたりすると、適合や働きが変わる可能性があります。装着時間の変更が必要なら、どのように扱うかを担当者から具体的に確認します。
当院の小児矯正・一期治療では、お口の成長や状態に応じた治療を検討します。歯ぐきからの出血だけで矯正が必要と決まるわけではありません。まず出血について相談し、歯並びや装置の清掃が関係している場合は、その部分も併せて確認するという順序で構いません。
10再発を防ぐために、家庭では何を続ければよいですか?
お子さんが苦手な場所を把握し、無理のない清掃を続け、決めた時期に歯ぐきを確認してもらいましょう。出血が減ったあとも、同じ場所に汚れが残っていないかを見直すことが大切です。
生活に取り入れるなら、「全部をもっと頑張る」より「右下の奥歯の外側を最後に確認する」といった具体的な一つから始めると続けやすくなります。担当者から教わったポイントを家族で共有し、仕上げみがきの担当が変わっても同じ場所を確認できるようにしておきましょう。
小学生以降は、本人にも鏡で場所を見てもらい、「磨けていない」と責める代わりに「ここは届きにくいね」と一緒に工夫します。通院の間隔はお口の状態に合わせて相談します。出血が戻ったときに、次の定期受診まで必ず待つ必要はありません。[4]
瑞穂区でお子さんの歯みがき時の出血が気になる方は、当院の小児歯科へご相談ください。むし歯、歯ぐき、生え替わりはそれぞれ確認する視点が異なります。毎日のケアを続けやすい方法を整理するためにも、「少し血がつくだけ」と遠慮せず、家庭での様子をお伝えください。
当院の院長について
瑞穂みやざわ矯正歯科こども歯科 院長
宮澤 平
歯学博士
日本矯正歯科学会 認定医
経歴
- 愛知学院大学歯学部 卒業
- 昭和医科大学 歯科矯正学講座 入局
- 昭和医科大学 大学院 歯学研究科 歯学博士号 取得
- 昭和医科大学 歯科矯正学講座 勤務・助教(歯科)
- 日本矯正歯科学会 認定医 取得
- 昭和医科大学 歯科矯正学講座 非常勤
所属学会
日本矯正歯科学会・日本小児歯科学会・日本顎変形症学会・日本口蓋裂学会・日本舌側矯正歯科学会
院長情報は医院公式サイトの掲載情報に基づきます。
参考文献・根拠資料
学会・公的機関の資料や学術論文を参照しています。本文の番号から対応する資料を確認できます。