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2026/10/19

矯正中に顎が鳴る・痛い?顎関節の症状と受診・装置の扱い|瑞穂区

瑞穂区の歯ならび・こどものお口ノート / 68

顎の音だけで慌てず、痛みや開けにくさは早めに相談。矯正の目的と顎の症状への対応を分けて考えましょう。

当院の院長は宮澤平(歯学博士・日本矯正歯科学会 認定医)です。院長の経歴・資格を見る

01矯正中に顎が鳴ったら、すぐに治療が必要ですか?

痛みを伴わない音だけで、一律に治療が必要になるわけではありません。ただし、痛み、口の開けにくさ、引っかかりなどがあれば、音の大きさだけで判断せず担当医に相談してください。

口を開け閉めすると耳の前で「カクッ」と鳴ると、装置が合っていないのではないかと心配になるかもしれません。米国国立歯科・頭蓋顔面研究所(NIDCR)は、痛みのない顎関節の音は珍しくなく、通常は治療を必要としないと説明しています。[1]音を消そうとして何度も大きく口を開けたり、顎を横に動かし続けたりするのは避けましょう。

相談するときは「音が鳴ります」に加えて、いつから、左右どちらで、痛みがあるか、食事に支障があるかを伝えると状況を整理しやすくなります。以前から変わらない音と、急に口が開かなくなった状態は同じ対応ではありません。次回の予約まで待ってよいか迷う場合には、症状を伝えて受診時期を確認してください。

02矯正を始めてから顎が痛い場合、装置が原因ですか?

矯正を始めた後に症状が出ても、それだけでは原因を特定できません。症状が起きた時期、装置の状態、顎や筋肉の診察などを合わせて確認します。

「開始前にはなかった」という経過は、担当医に伝えたい大切な情報です。一方で、時間的に前後していることと、直接の原因であることは別です。NIDCRは、不正なかみ合わせや矯正装置が顎関節症を起こすという考えは、研究によって支持されていないとしています。[1]これは、治療中に出た症状を放置してよいという意味ではありません。

装置の交換日、顎間ゴムの使い始め、強く食いしばったと感じる場面など、気づいた変化を担当医と共有しましょう。「矯正のせいだから全部中止」「よくあることだから我慢」のどちらかに自己判断で決めず、現在の状態に合わせた対応を相談します。歯の移動に伴う違和感なのか、顎の関節や筋肉の症状なのかを、自宅だけで確定することはできません。

03歯並びを治せば、顎関節症も治りますか?

矯正治療によって顎関節症が必ず改善するとはいえません。歯並び・かみ合わせを整える目的と、顎の痛みや開けにくさへの対応は、分けて検討する必要があります。

NIDCRは、矯正を含むかみ合わせを変える治療について、顎関節症への有効性を裏付ける十分な根拠はないと説明しています。[1]「音が鳴るから歯並びを治す」「顎の痛みを治すために必ず矯正する」という単純な結びつけ方はできません。矯正が必要かどうかには、別途、歯並びやかみ合わせの検査と治療目標の確認が必要です。

すでに矯正を希望している方は、顎の症状を隠さず最初に伝えてください。歯並びについて改善を目指す点、顎の症状について評価が必要な点を分け、治療中に症状が変わったときの連絡先も確認しておくと安心です。説明を聞く際には「この治療で何を目指すのか」「顎の症状についてどこまで見通せるのか」をそれぞれ質問しましょう。

04どのような顎の症状なら、早めに連絡すべきですか?

急に口が開きにくくなった、顎が引っかかる、痛みで食べたり飲んだりしにくい場合は、早めに医療機関へ相談してください。呼吸や飲み込みに支障を伴う腫れなどは、通常の矯正予約を待つ状態ではありません。

英国NHSは、口の開けにくさや顎のロック、食事・水分摂取の困難などを受診判断に関わる症状として挙げています。[2]「何ミリ開けば大丈夫」と自分で無理に測る必要はありません。普段の食事や会話にどの程度困るか、症状が急に変わったかを伝えましょう。外傷後にかみ合わせが変わった場合も、矯正装置の問題だけと考えず早めの診察が必要です。

顔や口の中の腫れ、発熱、歯の強い痛みを伴う場合には、感染など別の原因も考える必要があります。息苦しい、飲み込みにくい、腫れが急速に広がるなどの場合は、119番を含めて緊急の対応をしてください。[4]連絡がつかないまま数日待つより、地域の救急相談窓口などに受診先を確認することが大切です。

05顎の痛みと、歯や耳の痛みは見分けられますか?

痛む場所だけで、原因を正確に見分けることはできません。顎の動きとの関係や歯・口の中の状態、ほかの症状を診察で確認します。

耳の前が痛いから顎関節症、矯正中だから歯が動く痛み、と決めつけることはできません。日本の顎関節症の診断基準でも、症状の経過や顎の運動との関連、診察所見を組み合わせて評価する考え方が示されています。[3]自分で強く押したり、痛みが出るまで繰り返し開閉したりするための基準ではありません。

冷たい物がしみる、特定の歯をかむと痛い、歯ぐきが腫れている、耳の症状もあるなど、気づいたことはまとめて伝えてください。診察の結果、矯正の調整だけでは対応できない場合には、一般歯科、口腔外科、耳鼻咽喉科などでの確認が必要になることがあります。受診先に迷う場合は、まず現在の症状と治療中であることを伝え、適切な窓口を相談しましょう。

06受診までの間、顎に負担をかけないために何ができますか?

痛みを誘発する硬い物や大きな一口、ガムなどを控え、無理のない範囲で食べやすい形に工夫してください。顎を強く動かす練習や自己流の調整を始める前に、担当医へ相談しましょう。

NHSは、症状がある間のやわらかい食事や、ガムをかむこと、爪・ペンをかむこと、大きく口を開ける動作などを避ける工夫を紹介しています。[2]たとえば食べ物を小さく切る、痛みの出る硬さを避けるといった方法です。ただし、長期間ずっと流動食だけにするなど、極端な制限を自己判断で続ける必要はありません。食べられない・飲めない状態なら、食事の工夫だけで乗り切ろうとせず相談してください。

インターネットの動画を見て顎を押し戻す、開口量を増やすために力を加えるといった対応は避けましょう。リラックスする工夫は取り入れられますが、症状の原因を「ストレスだけ」と決めつけることも適切ではありません。仕事や勉強への支障、睡眠への影響も、受診時に伝えてよい情報です。

07マウスピースや顎間ゴムは、自分で外したままにしてよいですか?

顎の症状が出たときの装置の扱いは、担当医に確認してください。強い痛みを我慢して無理に装着したり、自己判断で装着時間・交換順序・ゴムのかけ方を変更したりすることは避けます。

連絡するときは、現在の装置、マウスピースの番号、交換した日、ゴムを使っているか、装着時と外したときの違いを伝えましょう。受診までどう扱うかという個別の指示を受け、指示内容をメモしておくと混乱を防げます。普段の処方を一律に変えることも、「どんな症状でも同じ時間使えばよい」と考えることもできません。

歯を動かすためのマウスピース、歯並びを保つリテーナー、顎の症状などで用いられるスプリントは、目的が異なります。市販のマウスピースに勝手に置き換えたり、複数の装置を重ねたりせず、使用の可否を確認してください。装置そのものが浮いて入らない場合は、マウスピースが合わないときの確認事項も参考になりますが、顎の症状があればそのことも一緒に伝えましょう。

口が開けにくいときは、歯磨きや装置の着脱にも困ることがあります。その場合も、口を無理にこじ開けて清掃しようとせず、できない動作を担当医に伝えてください。「歯磨きがしづらい」「奥歯に歯ブラシが届きにくい」など、生活の中の困りごとまで伝えると、その方に合う手順を確認できます。

08診察前には、どのようなことを記録しておくとよいですか?

いつから、どちら側に、どんな動きで症状が出るかと、日常生活への影響を簡単に記録してください。痛みを再現するために無理に顎を動かす必要はありません。

次のような項目を、わかる範囲で整理すると相談しやすくなります。「昨日より悪化した」「朝だけ気になる」などの短い言葉で十分です。原因を自分で調べ上げてから受診する必要はありません。

  • 症状が始まった日と、急に始まったか徐々に気づいたか。
  • 左右どちらか、音だけか、痛みや引っかかりもあるか。
  • 食事・会話・歯磨きなど、困る動作があるか。
  • 装置の交換や調整、顎間ゴムの変更があった時期。
  • 以前にも似た症状があったか、別の医療機関で治療を受けているか。

使用中の装置や、お薬の情報も確認できるようにしておきましょう。予約時に「矯正の調整と一緒に聞けばよい」とだけ考えず、食べにくさなどがある場合には先に伝えます。相談の目的は、音の正体をその場で自己診断することではなく、必要な診察と受診時期を判断してもらうことです。

電話では、たとえば「昨日から右の耳の前が痛み、食事で口を開けると困ります。マウスピースは何番を使っています。受診を早める必要がありますか」と伝えます。受付だけで診断を求めるのではなく、担当医の確認につなげてもらいましょう。症状がその後に悪化したときは、前に受けた案内のまま待たず、変化を改めて連絡します。

09矯正前から顎が鳴る場合、相談時に伝える必要はありますか?

痛みがなくても、以前から音が鳴ることや、過去に口が開けにくくなった経験は伝えてください。治療前の状態を共有することで、治療中に変化があったときの比較にも役立ちます。

顎の音があるだけで、矯正ができないと決まるわけではありません。一方、すでに食事に支障がある、ほかの医院で顎の治療を受けているなどの場合は、開始時期や連携を含めて相談する必要があります。何を先に確認するかは、診察結果によって異なります。検査の種類も一律ではなく、必要性を説明してもらいましょう。

カウンセリングでは、装置の見た目や費用に加え、通院中に困ったときの連絡方法も確認してください。当院の矯正歯科と矯正治療に伴うリスクの案内も、相談の準備にご利用いただけます。装置の選択は、顎の音があるかどうかだけで決めるものではありません。

ほかの医療機関で診察を受けた場合には、受診日、説明された内容、処方された薬、使用するよう指示された装置を矯正の担当医にも共有してください。異なる医院の指示が両立するか不明な場合は、自分でどちらかを選ばず、確認を依頼します。連携に必要な資料や紹介状があるかも相談できます。

10瑞穂区で、矯正と顎の症状をどう相談すればよいですか?

矯正を検討中・治療中の方は、歯並びについての希望と、顎の症状を分けて具体的に伝えてください。顎の症状に専門的な評価が必要な場合は、適切な診療科との連携も含めて確認します。

瑞穂みやざわ矯正歯科こども歯科では、成人の矯正治療として、インビザラインによるマウスピース矯正、表側のワイヤー矯正、裏側のワイヤー矯正をご案内しています。これらを顎関節症の治療法として一律におすすめするものではありません。この記事も、当院で顎関節症のすべての治療を行うという案内ではありません。

費用の確認には料金案内をご利用ください。治療内容や費用、期間、リスクは個別の検査と説明で確認します。顎の音を過度に怖がる必要はありませんが、痛みや食べにくさを「矯正中だから仕方がない」と我慢する必要もありません。症状の変化を早めに共有し、必要な対応を一緒に整理しましょう。

当院の院長について

瑞穂みやざわ矯正歯科こども歯科 院長 宮澤平

瑞穂みやざわ矯正歯科こども歯科 院長

宮澤 平

歯学博士
日本矯正歯科学会 認定医

経歴

  • 愛知学院大学歯学部 卒業
  • 昭和医科大学 歯科矯正学講座 入局
  • 昭和医科大学 大学院 歯学研究科 歯学博士号 取得
  • 昭和医科大学 歯科矯正学講座 勤務・助教(歯科)
  • 日本矯正歯科学会 認定医 取得
  • 昭和医科大学 歯科矯正学講座 非常勤

所属学会

日本矯正歯科学会・日本小児歯科学会・日本顎変形症学会・日本口蓋裂学会・日本舌側矯正歯科学会

院長情報は医院公式サイトの掲載情報に基づきます。

参考文献・根拠資料

学会・公的機関の資料や学術論文を参照しています。本文の番号から対応する資料を確認できます。

  1. NIDCR:TMD(顎関節症と矯正・かみ合わせの治療に関する根拠)
  2. NHS:Temporomandibular disorder (TMD)(症状・受診・生活上の工夫)
  3. 顎関節症の診断基準(2019)
  4. NHS:Dental abscess(感染・腫れの緊急性。救急番号は日本の119番を案内)

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