子どものシーラントが取れたら?奥歯の溝の予防と再チェック|瑞穂区の小児歯科
瑞穂区の歯ならび・こどものお口ノート / 28
シーラントが取れたかも?見た目だけで決めず、奥歯の状態を確認しましょう。
当院の院長は宮澤平(歯学博士・日本矯正歯科学会 認定医)です。院長の経歴・資格を見る
01シーラントが取れたように見えたら、すぐ受診が必要ですか?
痛みがなくても、処置を受けた歯科へ連絡して確認時期を相談してください。シーラントは永久に残るとは限らず、欠けたり外れたりした部分は診察で再評価します。[1]
仕上げ磨きをしていて、奥歯にあった白い部分が薄くなった、溝が見えるようになった、と気づくことがあります。ただし、もともと透明に近い材料もあるため、家庭で見ただけでは「全部取れた」「むし歯になった」とは決められません。以前の見た目を正確に覚えていなくても、気になったことをそのまま伝えれば大丈夫です。
電話では、いつ処置を受けたか、左右どちらの奥歯か、痛みや食事のしにくさがあるかを伝えましょう。診療明細やお口の記録があれば処置名の確認に使えますが、資料を探し終えるまで連絡を待つ必要はありません。「予防のコーティングだったと思う」といった説明でも構いません。
一方、強い痛み、腫れ、かむと痛い、食べられないなどの症状があるときは、予防処置の点検だけと考えず早めの受診を相談します。取れた日数だけで待てる期間を判断しないことが大切です。この記事は一般的な確認の方法を紹介するもので、写真だけで取れた範囲や歯の内部を診断するものではありません。
02シーラントとは、どこを守る処置ですか?
シーラントは、奥歯のかむ面などにある細い溝を歯科用材料でふさぐ予防処置です。歯全体を覆う処置ではなく、主に汚れのたまりやすい溝を対象にします。[1][2]
奥歯は平らな板のような形ではありません。山と谷があり、狭く深い部分には歯ブラシを当てても毛先が届きにくいことがあります。日本小児歯科学会の保護者向け資料でも、生え始めの奥歯の予防方法としてシーラントが紹介されています。[2]
「ふさいだ」と聞くと、歯のすべての面が守られるように感じるかもしれません。しかし、歯と歯が接する部分や歯ぐきの近くなど、シーラントを置いた溝以外は別にケアする必要があります。何を処置したのか分からない場合は、鏡や写真で場所を示してもらうと、仕上げ磨きでも確認しやすくなります。
なお、シーラントと、進んだむし歯を治療したあとの詰め物は同じ扱いではありません。どちらか不明な場合に「予防だから急がなくてよい」と判断しないでください。受付へは「歯につけた物が取れたようです」と伝え、治療記録と合わせて確認してもらいましょう。
03何歳になったらシーラントを考えるとよいですか?
年齢だけで一律に決めず、歯の生え方、溝の形、むし歯のなりやすさを見て考えます。6歳臼歯が見えてきたときは、磨き方と一緒に相談する機会になります。[1][2]
6歳臼歯という名前でも、全員が同じ誕生日に生えるわけではありません。乳歯が抜けた場所ではなく、乳歯のいちばん後ろから出てくるため、保護者が気づきにくい場合もあります。新しい奥歯が見つかったら、痛みの有無だけでなく、歯ブラシが届いているかを受診時に確認しましょう。
乳歯か永久歯か、上か下か、どれくらい歯ぐきに覆われているかによって相談内容は変わります。歯ぐきを押し下げて確かめたり、先のとがった物で溝を探ったりする必要はありません。見える範囲の情報を伝え、口の中の確認は歯科で行います。
すぐに処置する方針にならなかった場合も、予防をしなくてよいという意味とは限りません。「次にいつ確認するのか」「それまでどの面を磨くのか」を聞いてください。生え始めの磨き方は、関連する6歳臼歯の記事でも説明しています。
04すべての奥歯に、同じように必要ですか?
一人のお子さんでも、歯ごとに必要性は異なります。過去のむし歯や生活習慣に加え、各歯の溝や生え方などを踏まえて判断します。[1]
例えば、「兄弟は全部の奥歯にしたのに、今回は一本だけ」と聞くと不安になるかもしれません。処置する本数だけを比べると、その歯を選んだ理由が見えなくなります。なぜ今この歯を対象にするのか、ほかの歯はどのように経過を見るのかを分けて尋ねると、方針を理解しやすくなります。
診察には、仕上げ磨きの状況、間食や飲み物のとり方、家庭で使っている歯磨き粉などの情報も役立ちます。完璧にできていることを示す必要はありません。苦手な場所や、続けにくい時間帯を伝えることで、家庭で行うことと歯科で補うことを整理できます。
歯科で説明を受けたあとに迷ったら、「処置を受ける場合の目的」「今回は見送る場合の確認方法」をそれぞれ質問しましょう。実施するかどうかだけでなく、その後の管理まで理解することが大切です。
05初期のむし歯にも使うことがありますか?
穴ができていない初期の変化では、シーラントで管理することが検討される場合があります。ただし、進行したむし歯まで同じ処置で対応できるという意味ではありません。[3]
ADAとAAPDのガイドラインは、子どもの奥歯のかむ面について、健康な溝だけでなく、穴のない初期病変も対象に検討しています。[3]これは歯科で状態を確認したうえでの選択です。「黒い点があるから溝をふさげばよい」と、家庭で処置を決めることはできません。
保護者の方は、今回の目的が予防なのか、初期の変化の管理なのかを確認してみてください。見た目の色だけでは分からないこと、次の診察で何を比べるのかも聞いておくと、経過を理解しやすくなります。
痛みがある場合は、その場所、食べ物や温度との関係、いつからかを伝えます。予防の相談で予約した場合でも、症状が出たら受付時点で申し出てください。予約の名称に合わせて症状を小さく伝える必要はありません。
06処置の方法や材料は、何を確認するとよいですか?
対象の歯、使う材料、処置中に必要なお口の開け方、処置後の注意を確認しましょう。材料や歯の生え方によって、唾液を避ける方法や管理の考え方が異なります。[3]
シーラントには樹脂系やグラスアイオノマー系などの材料があります。ひとつの材料がどのお子さんにも常に最適とは限らず、歯を乾いた状態に保てるかなどを含めて選択します。[3]材料名を暗記することより、今回の歯にその方法を選ぶ理由を理解する方が、保護者の判断に役立ちます。
歯科が初めて、長く口を開けるのが苦手、水や器具を怖がるなどの事情があれば、先に伝えてください。処置の流れをどのように説明するか、休憩の合図をどうするかを相談できます。「絶対に痛くないから」と約束するより、「歯を見てもらって、することを先生と決めよう」と伝える方が、予定が変わったときにも説明しやすくなります。
食事を始める時刻や、当日の歯磨きなどは、使用する材料と処置の説明を優先します。インターネット上の一律の時間を、そのまま自分のお子さんの指示に置き換えないでください。聞き忘れたら医院へ確認して構いません。
07取れた場合は、必ず同じ処置をやり直しますか?
欠けた範囲と歯の状態を診察し、補修、再処置、ほかの対応の必要性を判断します。取れたこと自体はむし歯の診断でも、処置全体が無意味だった証拠でもありません。
シーラントが保持されているかを定期的に確認し、必要な部分へ対応することは予防の一部です。[1]「やり直しになったら失敗なのでは」と受診をためらわず、見た目が変わった経過を伝えてください。以前の処置日が分かれば参考になります。
家庭で白い部分を削る、爪で引っかけて外す、市販の接着剤で埋めることは避けてください。痛みがない場所を何度も触って確かめる必要もありません。歯科へ連絡し、受診までの清掃方法はその指示に従います。
再処置を受けた場合は、何を追加したのか、次回はどこを確認するのかを聞いておきましょう。保護者が交代で連れて行くご家庭では、処置した歯と注意事項を短いメモにして共有すると、説明の行き違いを減らせます。
08シーラントのあとも、歯磨きやフッ化物は必要ですか?
必要です。シーラントだけに予防を任せず、毎日の清掃やフッ化物の利用などを組み合わせます。[1][2]
処置を受けた奥歯だけに注目すると、隣の歯との間やほかの歯のお手入れが後回しになることがあります。仕上げ磨きでは、お口全体を無理なく確認する流れを作りましょう。お子さん自身の歯磨きに、保護者の確認をどう組み合わせるかも歯科で相談できます。
「シーラントを取らないように、その歯は磨かない」という対応はしないでください。磨くと痛がる、歯ブラシを当てにくい場合は、その理由を確認する必要があります。道具や当て方を教わる際に、普段の歯ブラシを持っていくと相談しやすくなります。
歯磨き粉の濃度や使用量は年齢と使い方に応じて確認します。詳しくは、関連するフッ素入り歯磨き粉の記事をご覧ください。新しい処置を追加することと、家庭で続けられる方法を整えることを、別々の課題にせず一緒に考えましょう。
09費用と次の受診日は、どのように確認しますか?
処置する歯と内容が分かった段階で、費用の扱い、再処置時の確認事項、次の受診予定を医院へ確認します。一律の金額や間隔をこの記事でお約束することはできません。
予約の際は、学校や園の健診結果、処置を受けた医院名、持参する医療証などについても受付へ確認できます。忙しくて何度も通いにくい場合は、その事情を先に伝えましょう。ただし、通院回数を減らす希望だけで必要な点検を省かず、何をどの時期に確認するかを相談して予定を決めます。
| 質問しておきたいこと | 確認する目的 |
|---|---|
| 今回はどの歯に、何のために行いますか? | 予防と治療の目的を区別するため |
| 費用と自己負担はどうなりますか? | 診察内容や制度による違いを確認するため |
| 取れたと思ったとき、どこへ連絡しますか? | 自己判断で待ち続けないため |
| 次回はいつ、何を確認しますか? | 処置後の管理を続けるため |
見積もりや説明が分からない場合は、「今回の分」と「今後必要になる可能性がある分」を分けて聞くと整理しやすくなります。他院で処置した歯の相談では、その旨を予約時に伝えてください。
10よくある質問
白い材料が見えなければ、全部取れていますか?
見た目だけでは判断できません。透明に近い材料や薄い部分もあるため、取れたと思う場所と気づいた時期を伝えて歯科で確認します。
取れたと思った日から、すぐむし歯になりますか?
日数だけでは決められません。現在の歯の状態を確認することが先です。痛みがなくても連絡し、受診まで待ってよいかを相談してください。
家で撮った写真だけで受診の要否を決められますか?
写真は場所を伝える補助にはなりますが、診察の代わりにはなりません。写真を撮れない場合も、連絡や受診を遅らせる必要はありません。
11瑞穂区で子どもの奥歯の予防を相談するには?
生え始めの奥歯、磨きにくい溝、過去の処置の変化などを、小児歯科の診察でお伝えください。予防の方法と、家庭で続けるケアを一緒に確認しましょう。
瑞穂みやざわ矯正歯科こども歯科では、小児歯科の一般治療についてご相談いただけます。シーラントが適しているか、今どの対応が必要かは、お口の状態を確認して判断します。「取れたようだけれど確信がない」という段階でも、気づいたことを整理してご相談ください。
当院の院長について
瑞穂みやざわ矯正歯科こども歯科 院長
宮澤 平
歯学博士
日本矯正歯科学会 認定医
経歴
- 愛知学院大学歯学部 卒業
- 昭和医科大学 歯科矯正学講座 入局
- 昭和医科大学 大学院 歯学研究科 歯学博士号 取得
- 昭和医科大学 歯科矯正学講座 勤務・助教(歯科)
- 日本矯正歯科学会 認定医 取得
- 昭和医科大学 歯科矯正学講座 非常勤
所属学会
日本矯正歯科学会・日本小児歯科学会・日本顎変形症学会・日本口蓋裂学会・日本舌側矯正歯科学会
院長情報は医院公式サイトの掲載情報に基づきます。
参考文献・根拠資料
学会・公的機関の資料や学術論文を参照しています。本文の番号から対応する資料を確認できます。