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2026/09/30

子どもはなぜむし歯になりやすい?乳歯だからこそ気をつけたい3つの理由

瑞穂区の歯ならび・こどものお口ノート / 40

乳歯の特徴・磨き方・飲食の時間。三つの視点から、家庭でできる予防を考えます。

当院の院長は宮澤平(歯学博士・日本矯正歯科学会 認定医)です。院長の経歴・資格を見る

01子どもがむし歯になりやすいのは、甘いものが好きだからですか?

甘いものの好みだけでは説明できません。乳歯の特徴、歯みがきの難しさ、飲食の取り方などが重なって、むし歯のなりやすさに関わります。

この記事では、ご家庭で確認しやすいように、三つの理由に分けて考えます。一つ目は「乳歯そのものの特徴」、二つ目は「自分だけでは磨きにくいこと」、三つ目は「糖をとる機会が増えやすい生活」です。この三つで原因のすべてを説明するものではなく、唾液や歯の形、体調、薬なども個別に確認します。

同じように生活しているきょうだいでも、むし歯の経験が違う場合があります。比較して本人や保護者を責めるより、どの場所が磨きにくいか、どんな時間に飲食しているかを整理すると、次に変える行動を考えやすくなります。

日本小児歯科学会は、子どもに合わせたケアと継続的なお口の管理の重要性を示しています。[1]「うちはなりやすい体質だから仕方がない」と諦めず、お口の状態と毎日の生活の両方から予防を考えましょう。

02理由1:乳歯には、永久歯とどんな違いがありますか?

乳歯は永久歯に比べて歯を覆う硬い組織が薄く、むし歯が進んだときに内部へ影響が及びやすい特徴があります。小さな穴に見えることと、内部の影響が小さいことは同じではありません。

歯の表面にはエナメル質、その内側には象牙質、さらに内側には神経や血管を含む歯髄があります。乳歯は単に大人の歯を縮小したものではなく、形や組織の厚さに違いがあります。そのため、保護者が見える範囲だけで深さを推測することはできません。[2]

乳歯のむし歯では、本人がはっきりと痛みを訴えない場合もあります。食事の際に片側を避ける、歯みがきで同じ場所を嫌がるなど、痛いという言葉以外の変化も伝えてください。ただし、そのような行動があれば必ずむし歯というわけではありません。

白い歯だから安全、黒いから重症、と色だけで分類しないことも大切です。歯と歯の間のように家庭では見えにくい場所もあるため、診察で確認します。乳歯を守る意味は、永久歯に生え替わるまでの時間を、なるべく困らず過ごせるようにすることにもあります。

03理由2:子どもの歯みがきは、なぜ大人の手助けが必要ですか?

手の動かし方や、汚れの残る場所を見つける力が発達途中だからです。自分で歯ブラシを動かせることと、必要な場所を十分に磨けることは分けて考えます。

「毎日磨いているのにむし歯になった」という場合、回数だけでなく毛先の届き方も確認します。前歯の表面は磨けていても、奥歯の溝や歯と歯の間、歯ぐきの近くには汚れが残る場合があります。本人が一生懸命磨いたことを認めながら、足りない部分を保護者が手伝う方法を考えましょう。

歯みがきをすべて大人任せにする必要もありません。本人が磨く時間と、保護者が確認する時間を分けると、練習しながら歯を守れます。仕上げみがきの終了時期は、年齢だけで一律に決めず、磨けている状態や歯の生え替わりを歯科で見てもらって相談します。

たとえば「右奥の内側だけ見せてね」のように、具体的な場所を伝えると本人にも目的が分かりやすくなります。磨き残しを指摘するための時間ではなく、自分でできる範囲を増やすための練習と考えてみてください。

04理由3:おやつの量だけでなく、食べる回数も関係しますか?

関係します。糖を含む食品や飲み物を少しずつ何度もとる習慣は、お口が酸の影響を受ける機会を増やします。食べる量とともに、回数や時間帯も確認しましょう。

むし歯は、お口の細菌が糖を利用して生じる酸と関わります。砂糖の多いお菓子だけでなく、甘い飲み物を何度も口にする習慣も見直すポイントです。むし歯の予防では、飲食と歯みがきの両方を考える必要があります。[3]

幼児のおやつには、食事で取り切れない栄養を補う役割もあります。すべてを禁止するより、食べる時間を決め、食べ終わりをはっきりさせる工夫が現実的です。テレビを見ながら袋のまま食べる、移動のたびに飲み物を口にするなど、意識しにくい習慣にも目を向けます。

一日の記録は、細かな栄養計算までは必要ありません。朝食、昼食、夕食のほか、何時ごろ何を食べたり飲んだりしたかを書けば、相談のきっかけになります。保護者が把握しにくい園や祖父母宅での飲食についても、分かる範囲で共有しましょう。

05歯の間や生え始めの奥歯は、どうお手入れしますか?

歯ブラシの毛先が届きにくい場所を見つけ、必要に応じてフロスなどを使います。新しい歯が出てきたら、その位置に合わせて磨き方を見直してください。

乳歯の間に隙間がなく接している部分では、歯ブラシだけで清掃しにくいことがあります。フロスを使う場所、通す方向、力の入れ方は実際のお口に合わせて教わりましょう。勢いよく押し込んで歯ぐきを傷つけたり、本人に持たせて歩き回らせたりしないよう注意します。

6歳ごろには、乳歯のさらに奥に永久歯の第一大臼歯が生え始めます。ほかの歯より背が低い時期は、いつもの磨き方で毛先が届いていないことがあります。日本小児歯科学会も、この歯の生え始めの清掃と予防を重視しています。[4]

具体的な道具の使い方は、子どものフロスの記事も参考にしてください。永久歯が出てきても、残っている乳歯のケアを急に終わりにするのではなく、お口全体を確認することが大切です。

06フッ素やシーラントをすれば、歯みがきは簡単にしてもよいですか?

いいえ。フッ化物やシーラントは予防を助けますが、毎日の清掃や食習慣の代わりにはなりません。歯の状態に応じて組み合わせるものです。

フッ化物配合歯みがき剤は、年齢に合う濃度と量で使用することが推奨されています。歯科で塗布を受ける場合も、家庭で何を使うかを相談しましょう。濃いものを多く使えばよい、という考え方ではありません。小さい子どもが自分で大量に出さないよう、保護者の管理も必要です。[5]

シーラントは、対象となる歯の溝を材料で覆う予防処置です。すべての歯のすべての面を守るものではなく、歯と歯の間の清掃は別に必要です。取れたり欠けたりする場合もあるため、入れた後の確認も続けます。

フッ素の案内やシーラントが取れたときの確認も、受診時の相談につなげてください。適応や時期は歯の状態によって異なり、処置を受ける回数だけで予防の成果が決まるわけではありません。

07むし歯になりやすさは、家族からうつる菌だけで決まりますか?

いいえ。細菌だけでなく、食習慣、清掃、歯の状態、唾液など複数の要因が関わります。家族との触れ合いを避けることだけを予防の中心にしないでください。

「食器を分けなかったせい」「一度口移しをしたから」と一つの行動を原因に決めつけると、本当に取り組みたい毎日のケアが見えにくくなります。日本口腔衛生学会は、食器共有だけにこだわらず、砂糖の摂取や清掃、フッ化物の利用などに取り組む考え方を示しています。[6]

家族で予防に取り組むときは、禁止事項を増やすより、同じ時間に歯みがきをする、おやつのルールを共有するなど、続けやすい方法を選びます。保護者自身のお口に困りごとがある場合も、ご自身のかかりつけ歯科で相談しましょう。

お子さんのむし歯を、家庭の愛情やしつけの問題に結びつける必要はありません。受診の際には、変えたいことと変えにくいことの両方を伝えてください。生活の背景まで分かると、無理のない方法を選びやすくなります。

08三つの理由を踏まえて、家庭では何を確認すればよいですか?

「歯の変化」「磨き方」「飲食の時間」をそれぞれ一つずつ確認します。どこが心配かを分けておくと、受診時にも相談しやすくなります。

見る視点 家庭で確認すること 歯科で相談すること
歯の特徴 色や欠け、嫌がる場所の変化 むし歯か、それ以外の変化か
清掃 奥歯や歯間に毛先が届くか 仕上げみがきと道具の使い方
飲食 間食や甘い飲み物の時間 生活に合う見直し方

この表は、ご家庭で診断するためのチェック表ではありません。見えない場所を無理に探す必要もありません。気になった事実を言葉にする手助けとして使ってください。「変化は分からないけれど、一度確認してほしい」という受診でも構いません。

急な痛みや腫れ、食べられない状態があれば、予定の健診を待たずに連絡します。一方、症状がなくケアを見直したいときは、通常の予約で相談できます。予約時に困りごとの内容を伝えると、受診の目的も共有しやすくなります。

09むし歯が見つかった後は、生活を全部変えるべきですか?

一度に全部変える必要はありません。必要な治療を受けながら、実行しやすい対策を決め、次の診察で見直していきます。

治療した歯があっても、次のむし歯を防ぐためにできることはあります。歯みがき剤を適切に使う、寝る前のケアを整える、甘い飲み物をとる場面を整理するなど、負担の小さいものから始めてください。うまくできなかった点も、方法を調整するための情報になります。

本人が歯科を怖がる場合は、受診を罰のように伝えないことも大切です。「磨かないと歯医者で痛くされる」ではなく、「食べやすいお口にするために見てもらおう」と目的を伝える方法があります。年齢や理解の仕方に合わせて、医院とも声かけを相談しましょう。

小児歯科のむし歯治療では、歯の状態とお子さんの様子に合わせて対応を考えます。ご家庭でできるケアを増やすことと、必要な診療を受けることを、両方続けていきましょう。

10瑞穂区で子どものむし歯予防を相談するには、何を持参するとよいですか?

普段使っている歯ブラシ・歯みがき剤、健診票、気になることのメモがあると具体的に相談できます。特別な記録をそろえないと受診できないわけではありません。

最初に伝えてほしいのは、ご家庭が最も困っていることです。「歯みがきを嫌がる」「忙しくて寝る前の時間が遅れる」「家族でおやつの考え方が違う」など、実際の生活からお話しください。一般論を知るだけでは変えにくい部分を、相談の中で具体的にします。

受診後には、今日から行うことと、次回確認することを分けてメモすると続けやすくなります。家族でケアを交代する場合は、どの歯を特に確認するかも共有しましょう。お子さんが自分でできたことを、家族で認めることも習慣づくりの助けになります。

歯ブラシや歯みがき剤を選ぶ際は、広告の印象だけで決めず、対象年齢や表示を確認します。気になる製品がある場合は、名前やパッケージを見せると相談しやすくなります。歯ブラシは、本人が握りやすいことと、保護者が奥まで見ながら使いやすいことの両方を考えましょう。

また、できた日の記録だけを求める必要はありません。帰宅が遅い日や外泊した日など、いつ難しくなるかが分かると、その日に使える工夫を考えられます。旅行用の道具を準備する、家族で声をかける担当を決めるなど、生活の仕組みを整えることも予防を続ける助けになります。

瑞穂みやざわ矯正歯科こども歯科の小児歯科では、乳歯の時期からお口の相談ができます。三つの理由を知ることをきっかけに、我が家では何から始めるかを一緒に考えてみましょう。

当院の院長について

瑞穂みやざわ矯正歯科こども歯科 院長 宮澤平

瑞穂みやざわ矯正歯科こども歯科 院長

宮澤 平

歯学博士
日本矯正歯科学会 認定医

経歴

  • 愛知学院大学歯学部 卒業
  • 昭和医科大学 歯科矯正学講座 入局
  • 昭和医科大学 大学院 歯学研究科 歯学博士号 取得
  • 昭和医科大学 歯科矯正学講座 勤務・助教(歯科)
  • 日本矯正歯科学会 認定医 取得
  • 昭和医科大学 歯科矯正学講座 非常勤

所属学会

日本矯正歯科学会・日本小児歯科学会・日本顎変形症学会・日本口蓋裂学会・日本舌側矯正歯科学会

院長情報は医院公式サイトの掲載情報に基づきます。

参考文献・根拠資料

学会・公的機関の資料や学術論文を参照しています。本文の番号から対応する資料を確認できます。

  1. 日本小児歯科学会:これからの小児歯科医療のあり方について
  2. ひたちなか市:1歳6か月の歯について(乳歯の構造)
  3. WHO:Oral health(むし歯と予防)
  4. 日本小児歯科学会:こどもたちの口と歯の質問箱・小学生低学年
  5. 4学会合同:フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法(2023年)
  6. 日本口腔衛生学会:乳幼児期における親との食器共有について(2023年)

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