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2026/09/30

子どものむし歯は大人の歯にも影響する?乳歯を大切にしたい理由

瑞穂区の歯ならび・こどものお口ノート / 41

乳歯は、生え替わるまでの大切な歯。今の食べやすさと、次に生える永久歯の両方を見守ります。

当院の院長は宮澤平(歯学博士・日本矯正歯科学会 認定医)です。院長の経歴・資格を見る

01乳歯のむし歯は、永久歯にも影響することがありますか?

あります。ただし、乳歯にむし歯があると必ず永久歯が悪くなるわけではありません。進んだ炎症、早く歯を失うこと、生え替わり期のお口の環境など、いくつかの経路を分けて考えます。

「生え替わるから治さなくてよい」という考え方では、今の食べやすさだけでなく、次に生えてくる歯の確認が遅れることがあります。反対に、むし歯が一つ見つかっただけで将来を悲観する必要もありません。現在の歯を診察し、必要な対応と経過観察を続けることが大切です。

日本小児歯科学会は、乳歯が食事やあごの発育、永久歯の生える場所の案内に関わることを説明しています。[1]永久歯がまだ見えない時期にも、歯ぐきの中では次の歯が育っています。乳歯と永久歯を別々の話にせず、成長のつながりとして見ていきましょう。

この記事では、保護者が受診前に整理しておきたい三つの関係と、治療後の見守りを紹介します。家庭で永久歯への影響を判定するためではなく、診察で何を聞くとよいかを知るための情報としてご利用ください。

02乳歯の下には、すでに永久歯があるのでしょうか?

乳歯から生え替わる永久歯は、歯ぐきや骨の中で発育しています。その位置や育ち方は歯によって違い、お口の中を見ただけでは十分に分からない場合があります。

乳歯が抜けてから永久歯が初めて作られ始めるわけではありません。見えている乳歯を使って食事をしている間にも、次の歯への準備が進んでいます。だからこそ、乳歯の状態と生え替わりの予定を一緒に確認することに意味があります。

診察では、必要に応じて画像検査などで情報を補います。ただし、すべてのお子さんに毎回同じ撮影が必要ということではありません。検査で何を確認するのか、今の対応にどう関わるのかを説明してもらいましょう。

また、6歳ごろに乳歯のさらに奥から出てくる第一大臼歯は、乳歯が抜けた場所に生える歯ではありません。「まだ乳歯だけ」と思っていても、永久歯が混じり始めている場合があります。生えてきた歯の種類が分からないときも、受診時に確認できます。[2]

03むし歯が深くなると、永久歯の形に影響することもありますか?

乳歯のむし歯が進み、根の周囲に炎症が広がると、近くで育つ永久歯へ影響する場合があります。どの程度の影響があるかは、炎症や永久歯の発育段階などによって異なります。

この可能性は、乳歯の小さなむし歯を見つけたら必ず永久歯に障害が残る、という意味ではありません。歯ぐきの腫れや膿の出口のようなできものがある場合には、痛みが弱くても歯の根の状態を確認することが重要です。外から見える穴の大きさだけでは判断できません。[3]

診察では、乳歯を残せるか、どのような治療が必要か、永久歯をどう見守るかを相談します。抗菌薬だけで原因となる歯の問題がすべて解決するとは限らないため、市販薬や以前の薬で様子を見続けず、歯科で確認してください。

歯ぐきに白いできものがあるときは、子どもの歯ぐきの水ぶくれ・フィステルの記事も参考になります。家庭でつぶしたり、針を刺したりしないでください。変化の時期や、以前その歯を治療したことがあるかを伝えましょう。

04乳歯を早く失うと、歯並びにも影響しますか?

影響する場合があります。乳歯が予定より早く失われると、隣の歯が動き、永久歯が生えるための場所の管理が必要になることがあります。

乳歯は、噛むために使うだけでなく、後から生える歯の場所を保つ役割も担います。早く失った場合の対応は、どの歯か、年齢、永久歯の位置や発育、残っている歯の状態によって変わります。「乳歯を抜いたら必ず歯並びが悪くなる」とは言えませんし、どのお子さんにも同じ装置が必要なわけではありません。[1]

歯を残した方がよいという思いがあっても、感染などの状態によっては抜歯が必要なことがあります。抜かないことだけを目標にするのではなく、今の症状と将来の生え替わりを考えた説明を受けることが大切です。

相談では「残す場合の見通し」「抜く場合に注意する点」「その後の確認時期」を聞いておくと整理しやすくなります。家庭でぐらついた歯を強く引っ張ったり、生え替わりの時期を自己判断して処置したりしないでください。

05乳歯のむし歯が、永久歯にそのまま移るのですか?

むし歯の穴がそのまま隣の永久歯へ移動するわけではありません。ただし、むし歯ができやすい生活や清掃状態が続くと、新しく生えた永久歯も同じ環境に置かれます。

乳歯と永久歯は一斉に入れ替わらず、しばらく同じお口の中で共存します。この時期に、頻繁な甘い飲食や磨き残しが続けば、永久歯の予防も難しくなります。「生え替わればリセットされる」と考えず、乳歯の時期からお口全体の環境を整えることが大切です。[4]

むし歯を治療した後も、生活習慣が変わらなければ別の場所に新しくむし歯ができることがあります。一方で、治療歴があることは今後も必ずむし歯が増えるという意味ではありません。歯みがき剤、清掃の方法、飲食の時間を見直すことが、新しい歯を守る準備になります。

家族で話すときは「この歯のせいで次の歯まで悪くなる」とお子さんを怖がらせるより、「新しい歯も一緒に守ろう」と伝えてみてください。原因を一つに決めつけず、変えられるところを相談していきましょう。

06生え始めの永久歯は、どこを重点的に磨きますか?

背の低い奥歯、歯ぐきに一部が覆われているところ、乳歯との段差や歯間を確認します。磨きにくい場所は、毛先の角度や道具をお口に合わせて調整します。

第一大臼歯が生え始めた時期は、前の歯と同じ高さに並んでいないため、歯ブラシを横に動かしているだけでは毛先が当たりにくい場合があります。奥へ届くようにする方法は、実際のお口で確認してもらいましょう。必要に応じて予防処置の適応も相談できます。[2]

本人が自分で磨くことを続けながら、保護者が新しい歯の位置を確認します。「小学生になったから急に全部任せる」のではなく、難しい部分だけ手伝うなど、段階的に自立につなげるとよいでしょう。できている部分を本人と共有することも大切です。

フッ化物配合歯みがき剤の濃度と量は年齢に応じて確認します。[5]当院のフッ素の案内と合わせて、家庭で使っているものが今の年齢に合うかを相談してください。塗布やシーラントを受けても、毎日の歯みがきは続けます。

07乳歯の治療が終われば、生え替わりまで通院しなくても大丈夫ですか?

治療後も、その歯の状態と生え替わりを確認することが大切です。次回の時期は治療内容やリスクに応じて決め、変化があれば予定より早く相談します。

治療した歯が噛めているか、歯ぐきに変化がないか、清掃しやすいかなどは、その後に確認する項目です。治療直後に問題がなかったからといって、成長しても同じ状態が続くとは限りません。新しい歯が出てくると、歯ブラシの当て方を変えることもあります。

通院の目的が分からないと、忙しい時期に予定を後回しにしやすくなります。「次は治療した場所を確認するのか」「永久歯が出る時期を見るのか」と聞いておくと、受診の必要性を理解しやすくなります。すべての子に同じ回数が必要という意味ではありません。

お子さんのむし歯治療の相談では、治療を終えた後の見守りについても確認してください。かかりつけを変える場合は、どの歯に何をしたか、説明された注意点があれば、新しい医院にも共有しましょう。

08歯が生えるのが遅い・違う場所から出てきたときはどうしますか?

生える時期には個人差がありますが、左右差や乳歯の残り方など、気になる変化は歯科で相談しましょう。むし歯の既往だけを原因と決めつけず、全体を確認します。

永久歯が乳歯の内側から見える、片側だけなかなか出てこない、乳歯が大きく欠けているなど、見つけたことをそのまま伝えてください。友達の生え替わりの早さと比較しても、お子さんの状態を診断することはできません。

診察では、歯の位置、スペース、永久歯の発育などから、待ってよいか、検査や処置が必要かを判断します。歯が出る場所を作ろうとして家庭で乳歯を無理に抜くことは避けます。すでに痛みや腫れがある場合は、そのことを最初に伝えてください。

詳しくは永久歯がなかなか生えてこないときもご覧ください。生え替わりの観察と、矯正治療を始める判断は同じではありません。必要に応じて小児矯正の相談につなげます。

09どのような症状なら、次の健診を待たずに連絡しますか?

痛みが続く、歯ぐきが腫れる、膿のようなできものがある、食べたり眠ったりできない場合は早めに連絡します。痛みが一度おさまったことだけで、治ったとは判断しないでください。

変化 医院へ伝えること
噛むと痛い いつから、どちら側か、食べられるか
歯ぐきに腫れやできもの 繰り返しているか、治療歴があるか
歯が大きく欠けた 気づいた時刻、けがの有無
顔の腫れや発熱 全身の様子、元気や水分摂取の状態

呼吸や飲み込みが難しい、急速に腫れが広がるなどの場合は、通常の歯科予約を待たず救急へ相談します。一方、色や生え方が気になるものの症状がない場合も、通常の予約で確認できます。緊急性が分からなければ、症状を伝えて判断を仰ぎましょう。

受診までの間に、できものをつぶす、穴へ薬や物を詰めるなどの自己処置は避けてください。家庭でできる対応と医院で必要な処置を分け、具体的な指示を確認します。

10乳歯を守ることを、毎日の習慣にどうつなげますか?

乳歯を「使い捨ての歯」と考えず、今の食事と次の歯の成長を支える歯としてケアします。歯みがき、飲食の時間、受診の予定を家庭で共有しましょう。

受診の前には、治療歴、気になった症状、普段の清掃で難しい点をまとめておくと相談しやすくなります。過去のケアを責めるための受診ではありません。今分かっていることと、これから確認することを分けることで、必要以上に不安を大きくせず進められます。

「乳歯を治すこと」と「永久歯を予防すること」は、同じお口を継続して守る取り組みです。すでにむし歯があっても、生え替わりが始まっていても、これからのケアを見直せます。お子さん自身にも、新しい歯を見つけたら一緒に確認するなど、成長を楽しめる声かけをしてみてください。

受診の間隔を相談するときは、むし歯の処置を確認する日と、生え替わりを確認する日の目的が同じとは限らない点も聞いておきましょう。痛みがなくなったことだけで通院を終えてよいかは、治療内容によって異なります。途中で予定を変更する場合も、次に何を確認する予定だったかを共有すると再開しやすくなります。

転居などで医院が変わる場合には、治療した乳歯、経過を見ている永久歯、過去のけがについて、新しい医院に伝えてください。分からないことを記憶だけで埋めようとせず、必要な情報をどのように引き継ぐか、現在のかかりつけに相談できます。

瑞穂区で乳歯や生え替わりが気になる方は、当院の小児歯科へご相談ください。治療の必要性、家庭でのケア、次回の確認時期を整理し、乳歯から永久歯への移行を見守っていきましょう。

当院の院長について

瑞穂みやざわ矯正歯科こども歯科 院長 宮澤平

瑞穂みやざわ矯正歯科こども歯科 院長

宮澤 平

歯学博士
日本矯正歯科学会 認定医

経歴

  • 愛知学院大学歯学部 卒業
  • 昭和医科大学 歯科矯正学講座 入局
  • 昭和医科大学 大学院 歯学研究科 歯学博士号 取得
  • 昭和医科大学 歯科矯正学講座 勤務・助教(歯科)
  • 日本矯正歯科学会 認定医 取得
  • 昭和医科大学 歯科矯正学講座 非常勤

所属学会

日本矯正歯科学会・日本小児歯科学会・日本顎変形症学会・日本口蓋裂学会・日本舌側矯正歯科学会

院長情報は医院公式サイトの掲載情報に基づきます。

参考文献・根拠資料

学会・公的機関の資料や学術論文を参照しています。本文の番号から対応する資料を確認できます。

  1. 日本小児歯科学会:小児歯科専門医の紹介資料・乳歯の役割
  2. 日本小児歯科学会:こどもたちの口と歯の質問箱・小学生低学年
  3. Cordeiro・Rocha:乳歯の根周囲の炎症・感染と後継永久歯への影響(症例報告、2005年)
  4. 日本歯科医師会:朝昼晩 vol.54・乳歯から永久歯へのむし歯予防
  5. 4学会合同:フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法(2023年)

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