歯医者の麻酔のあと子どもが唇を噛んだら?腫れたときの相談と予防|瑞穂区の小児歯科
瑞穂区の歯ならび・こどものお口ノート / 34
麻酔のあと、唇を噛んでしまったら。変化を伝え、追加の傷を防ぎましょう。
当院の院長は宮澤平(歯学博士・日本矯正歯科学会 認定医)です。院長の経歴・資格を見る
01歯医者の麻酔のあとに唇を噛んだら、まず何をすればよいですか?
噛む・吸う・触る動作をやめられるよう見守り、腫れや傷があれば治療を受けた歯科医院へ連絡してください。息苦しさや飲み込みにくさがある場合は、通常の歯科予約を待たず救急の対応が必要です。
歯の治療が終わってほっとしたあと、お子さんが下唇を何度もかんでいることがあります。本人には「唇が大きくなった」「変な感じがする」と感じられても、感覚が鈍いため傷つけていることに気づきにくい状態です。日本小児歯科学会も、麻酔後は唇をかんだり触ったりしないよう見守り、かんで腫れた場合には歯科医師に連絡するよう案内しています。[1]
最初に確認したいのは、いつ、どちら側の治療を受け、いつから変化があったかです。下唇だけなのか、頬や舌にも傷があるのかを、口を大きく引っ張らずに見ます。説明用に写真を撮るなら一度に短く済ませ、撮影のために何度も傷を触らないようにします。
連絡するときは「本日○時ごろに右下の歯を治療し、帰宅後に下唇を噛みました。今は腫れがあり、水分は取れています」のように伝えると、医院が状況を把握しやすくなります。噛むところを見ていなければ、その点も正直に伝えてください。写真を送れるかどうかは医院の案内に従い、写真だけで受診不要と判断しないことが大切です。連絡後は、再度相談すべき変化と次に確認する時期も聞いておきましょう。
このページは、局所麻酔後に唇などを噛んだときの相談と予防を扱います。抜歯後の出血や、転倒して歯・唇をぶつけたけがでは確認点が異なります。受診先から渡された当日の注意事項がある場合は、その内容も一緒に確かめてください。
02痛がっていないのに、どうして傷ができるのですか?
麻酔が効いている間は、唇や頬を噛む刺激に気づきにくく、同じ場所を繰り返し傷つけることがあるためです。「痛くない」は、傷がないことの確認にはなりません。
歯の痛みを抑えるために使った局所麻酔によって、周囲の唇、頬、舌にも一時的なしびれが出ることがあります。感覚の違いが気になり、指でつまむ、吸う、歯で確かめる行動につながります。普段なら痛くてやめる強さでも、本人は遊んでいるつもりで続ける場合があります。[1、2]
「どうして噛んだの」と責めるより、「いまはお口の感じがいつもと違うね。歯で触らず待とうね」と短く伝えましょう。説明を理解できる年齢でも、動画や遊びに集中すると口元への注意がそれます。注意した回数より、実際に噛む動作が減っているかを見ることが役立ちます。
きょうだいと同じ治療をした、以前は平気だった、という経験だけでは今回の経過は予測できません。治療した場所や方法、お子さんの行動も違います。帰り道に静かだから大丈夫、と決めず、保護者が安全に確認できるタイミングで口元を見てください。
03唇が白くなったり腫れたりしたら、感染やアレルギーですか?
噛んだ傷に伴う変化の可能性がありますが、色や写真だけで感染・アレルギーとの区別はできません。変化の速さ、全身症状、飲食の状態を含めて歯科医院へ伝えてください。
「麻酔をしたあとに腫れた」という順番だけで、薬のアレルギーと決めつけることはできません。一方で、すべてを噛み傷と考えて待つのも適切ではありません。傷を見つけた時間、噛む様子を見たか、しびれが残っているか、治療直後から腫れていたのかは、経過を整理する手掛かりになります。
白く見える部分を「汚れ」や「膿」と考えて拭き取ったり、皮をめくったりするのは避けましょう。見た目をきれいにするためにこすると、傷を刺激します。歯ぐきの白いできものが以前からあった場合は、今回の唇の傷と同じものとして扱わず、別の症状として伝えます。
局所麻酔では重いアレルギー反応はまれですが、起こり得ます。息苦しい、のどが狭く感じる、全身にじんましんが出て具合が悪い、急速に顔や舌が腫れるといった変化は、口元の写真を撮って様子を見る場面ではありません。救急へ連絡し、歯科治療後であることを伝えてください。[3]
04麻酔は何時間で切れますか?しびれが続いたらどうしますか?
しびれの時間には幅があるため、時計だけで安全を判断せず、当日の説明を目安にしてください。説明された時間を過ぎても強いしびれが続く、改善しない、気になる症状がある場合は担当医院へ連絡します。
日本小児歯科学会の一般向け資料では、約2時間しびれが残る場合があると説明されています。海外の小児歯科の術後資料にも数時間という案内がありますが、これは全員に当てはまる終了時刻ではありません。使う薬、注射した場所、治療内容などで異なります。[1、2]
「2時間たったから熱いものを飲んでよい」「まだ1時間だから腫れても連絡しなくてよい」といった使い方はしません。しびれの長さと、傷・腫れの緊急性は別に確認します。特に症状が悪化している場合は、時間の目安が過ぎるまで待つ必要はありません。
感覚を確認するために、唇を強く噛ませたり、つねったり、熱い飲み物を試したりしないでください。「いつもと同じ感じに戻ってきたか」を本人の言葉で聞き、食事について迷うときは治療先に相談する方が確実です。
05食事や飲み物は、いつから再開できますか?
しびれている間の食事は噛み傷につながるため、再開時期は担当医の指示に従ってください。熱い飲食物は避け、飲む動作や感覚に不安がある場合も先に確認します。
小児の抜歯後に関するケンブリッジ大学病院の患者資料は、感覚が鈍い間は唇・頬・舌を噛むおそれがあるため食事を避け、熱い飲食物によるやけどにも注意するよう案内しています。この資料は抜歯後の説明なので、すべての歯科治療の食事制限をそのまま当てはめるものではありません。[4]
おやつ、ガム、硬いせんべいなどを「退屈しのぎ」に渡すと、口を動かす時間が増えます。治療のごほうびを用意するなら、その場で食べる物ではなく、絵本を読む、一緒に遊ぶなどの方法も選べます。再開の許可が出たあとも、傷にしみる物や噛みにくい物を無理に食べさせないようにします。
食事が必要な持病がある、内服との兼ね合いがある、水分が十分に取れないといった場合には、一般的な時間の目安で長く制限しないでください。治療前から事情を伝え、当日の具体的な過ごし方を相談しておきます。
06家庭で薬を塗ったり、冷やしたりしてもよいですか?
薬や冷やし方を自己判断で追加する前に、治療先へ確認してください。傷を触らず、追加で噛まないようにすることが基本で、強い刺激を与える処置は避けます。
家族に処方された口内炎の薬、以前の抗菌薬、大人用の痛み止めが家にあっても、今回のお子さんに適しているとは限りません。年齢・体重・持病・併用薬のほか、傷の状態でも判断が変わります。医院から薬が出た場合は、量と使う間隔を確認し、効かないからと増やさないようにします。
氷をしびれた唇に直接長く当てる、消毒液を強くすり込む、腫れを押して中身を出そうとする対応はしないでください。痛みを感じにくい場所では、刺激の強さを本人が判断しにくいことにも注意が必要です。冷却を勧められた場合は、方法と時間を担当医に確認します。
歯磨きは「傷があるから口全体を何日も磨かない」と一律に中止するのではなく、どの場所をどう清掃するかを聞きます。抜歯も受けている場合には、うがいや傷周囲の清掃について別の注意があります。ネットで見た一般的な口内炎ケアより、今回の治療に対応した説明を優先してください。[2、4]
07どの症状なら、当日中の相談や救急受診が必要ですか?
噛んだあとの腫れ・傷はまず治療先へ連絡し、出血が続く、飲めない、痛みや腫れが増す場合は早めに受診の要否を確認してください。呼吸や飲み込みの異常、意識の変化は救急の対象です。
| 状態 | 相談の考え方 |
|---|---|
| 噛んだ場所が腫れた、傷になった | 治療先へ連絡し、診察が必要か確認する |
| 痛み・腫れが強くなる、出血が続く、水分が取れない | その日のうちに対応できる医療機関へ相談する |
| しびれが改善せず、説明された経過と違う | 担当医院へ経過と時間を伝える |
| 息苦しい、飲み込めない、反応がおかしい、急速な舌やのどの腫れ | 救急へ連絡し、通常の予約を待たない |
傷の大きさだけでなく、お子さんが普段どおり反応しているか、飲めているか、休めているかを見ます。小さな傷に見えても生活に支障が出ていれば、その点を具体的に伝えましょう。「大丈夫そうです」とまとめるより、「水を飲もうとすると泣く」「朝より腫れが広がった」という説明が役立ちます。
休診時間に悪化した場合は、翌日の診療開始を待つべきか迷ったままにせず、地域の救急相談や休日・夜間の医療機関へ相談してください。重い症状があるときは119です。当院へ電話がつながるまで救急対応を遅らせる必要はありません。
08園や学校、祖父母には何を伝えればよいですか?
治療時刻、麻酔が残る見込み、食事の指示、噛まないための見守り、困ったときの連絡先を共有してください。本人に注意を任せるだけでなく、見守る大人が交代しても情報をつなぎます。
歯科医院を出たあとに保護者が交代すると、「治療は終わった」という情報だけが伝わりがちです。食事を用意する方には、いつまで、どのような注意が必要なのかを具体的に伝えます。園や学校へ戻る予定があれば、受診前に医院へ相談し、その日の処置に応じた指示を受けましょう。
共有メモには「治療したのは右下」「何時に終了」「医院から食事についてこう説明された」「腫れたらこの番号へ連絡」のように、事実を短く並べます。しびれが完全に切れる時刻を保護者が断定して書く必要はありません。本人が訴えた変化も、聞いた時刻と合わせて追記します。
帰宅後は保護者が目を配れる場所で、口を使わない静かな遊びを選ぶと見守りやすくなります。綿や物を口に入れて噛むのを防ごうとする方法は、自己流で行わず医院に確認してください。危ない動作を叱るより、そばでやめるよう促す方が、状況を落ち着いて把握できます。
09次の治療で、同じ噛み傷を防ぐために相談できますか?
前回噛んだことを治療前に伝え、帰宅後の見守りや予約時間を含めて相談できます。噛み傷があったからといって、次回の麻酔を自己判断で避ける必要はありません。
痛みを抑える必要性と、麻酔後の過ごし方は一緒に考えることが大切です。前回どの場所を噛んだか、どれくらい腫れたか、どの場面で噛み始めたかを伝えると、説明を工夫する材料になります。「麻酔が悪い」「子どもが約束を守らない」と一つの理由にまとめないようにしましょう。
予約の前後に食事や送迎の予定が詰まっていると、落ち着いて見守ることが難しくなります。可能であれば、処置後に誰が付き添えるかを先に決めます。アレルギー、持病、服用中の薬は毎回確認し、前回から変わった点も伝えてください。[1]
瑞穂区でお子さんの治療後の経過に迷ったときは、まず処置内容を把握している担当歯科医への連絡が基本です。当院の小児歯科では、お子さんの一般治療と予防の相談を扱います。受診時は傷だけでなく、痛み・飲食・しびれの経過を一緒にお聞かせください。
当院の院長について
瑞穂みやざわ矯正歯科こども歯科 院長
宮澤 平
歯学博士
日本矯正歯科学会 認定医
経歴
- 愛知学院大学歯学部 卒業
- 昭和医科大学 歯科矯正学講座 入局
- 昭和医科大学 大学院 歯学研究科 歯学博士号 取得
- 昭和医科大学 歯科矯正学講座 勤務・助教(歯科)
- 日本矯正歯科学会 認定医 取得
- 昭和医科大学 歯科矯正学講座 非常勤
所属学会
日本矯正歯科学会・日本小児歯科学会・日本顎変形症学会・日本口蓋裂学会・日本舌側矯正歯科学会
院長情報は医院公式サイトの掲載情報に基づきます。
参考文献・根拠資料
学会・公的機関の資料や学術論文を参照しています。本文の番号から対応する資料を確認できます。