子どもの口内炎が痛くて食べられない?食事の工夫と受診の目安|瑞穂区
瑞穂区の歯ならび・こどものお口ノート / 61
口内炎で食べられないときは、まず水分と元気を確認。お口の見た目だけでなく、生活への影響を伝えて相談しましょう。
当院の院長は宮澤平(歯学博士・日本矯正歯科学会 認定医)です。院長の経歴・資格を見る
01子どもが口内炎を痛がるとき、最初に何を確認しますか?
まず、水分が取れているか、普段どおりに尿が出ているか、元気や反応に変化がないかを確認してください。口内炎の大きさだけでなく、食べる・飲むことへの影響で受診の急ぎ方が変わります。
「白い点が一つある」「食べ物が触れると泣く」といった口の中の様子も大切ですが、水分が取れず、尿が減っている状態なら、数日間の経過を見るより先に小児科へ相談する必要があります。子どもは脱水に注意が必要で、尿の減少、涙が少ない、いつもより眠そうなどは見逃したくない変化です。[1]
食事を残したときは、「お腹が空いていない」のか「口が痛くて飲み込めない」のかを優しく尋ねてみましょう。小さなお子さんでは、食べ物を口に入れてすぐ出す、よだれが増える、飲み物を嫌がるといった様子から気づくこともあります。
意識や呼吸がおかしい、起こしにくいなどの異常があれば、通常の歯科予約を待たず119番など救急の対応を求めてください。まず全身の状態を確認し、そのうえでお口の痛みについて小児歯科へ相談する、という順序で構いません。
02白い丸い傷があれば、普通の口内炎と考えてよいですか?
白っぽい浅い傷はアフタ性口内炎などで見られますが、見た目だけで原因は決められません。噛み傷、装置の刺激、感染症などでも、お口の中に痛みや傷ができます。
よくある小さなアフタは、頬や唇の内側などにできる痛い潰瘍です。一方、同じ「口内炎」という言葉でも、複数の場所に広がるものや、歯ぐき全体が赤くなるものなど、状態はさまざまです。英国の大学病院は、繰り返すアフタにも複数の型があり、経過が異なることを説明しています。[2]
家庭で見ておきたいのは、できた場所、数、いつからあるかです。歯の先や装置が当たる位置にあるのか、ほかの場所にも新しく増えているのかを確認しましょう。白い部分を汚れと考えてこすり取ったり、指で何度も触ったりしないでください。
写真は診察時の説明に役立ちますが、撮影のために無理に口を開ける必要はありません。「昨日は一つだった」「今朝から歯みがきも嫌がる」などの経過だけでも伝えられます。インターネットの写真と似ていることは、同じ病気だという根拠にはならないため、気になる変化は診察で確かめましょう。
03痛くて食べられないときは、何を食べさせればよいですか?
やわらかく、熱すぎず、酸味や塩味などの刺激が少ないものを、お子さんが食べられる範囲で選びましょう。無理に普段と同じ量を食べさせるより、水分が取れていることを先に確認します。
一般的な口内炎では、熱いもの、辛いもの、酸っぱいもの、硬く尖ったものが傷に触れると痛みが強くなることがあります。英国NHSも、やわらかい食事と刺激を避ける工夫を案内しています。[3]
例えば、いつもの献立でも、十分に冷ましたおかゆ、やわらかく煮たうどん、豆腐など、口に運びやすい形へ変えられます。あくまで工夫の例であり、年齢に合った形態、食物アレルギー、医師からの食事指示を優先してください。同じ食品でも、熱さや味付けによって食べやすさは変わります。
一口を小さくして試し、痛がるものを続けて勧めないようにしましょう。食べられたものと食べられなかったものを覚えておくと、受診時にも具体的に伝えられます。口内炎を治すために特定の食品だけを大量に与える必要はありません。食事や水分が十分に取れない状態が続くときは、家庭の献立の工夫だけで解決しようとせず相談してください。
04水分を嫌がる場合は、どのように対応しますか?
飲める温度・方法で少量ずつ試し、それでも取れない場合は早めに小児科へ相談しましょう。尿が減る、涙が出にくい、ぐったりするなどの変化があれば、様子見を続けないでください。
一度にたくさん飲むことがつらければ、少しずつ口にできるかを確認します。酸味の強いジュースなどはしみることがあるため、本人が飲みやすいものを年齢や体調に合わせて選びます。脱水が疑われるときの補水方法や経口補水液の使い方は、医師や薬剤師に確認してください。[1]
家庭で記録するなら、飲んだ時刻とおおよその量、最後に尿が出た時刻が役立ちます。紙に細かい表を作らなくても、スマートフォンのメモなどで構いません。乳児では、授乳の回数だけでなく、実際に飲めているか、濡れたおむつが普段より減っていないかも伝えましょう。
無理に流し込んだり、泣いている口へ飲み物を入れたりしないでください。年齢や病状によって必要な水分量が異なるため、このブログで全員共通の量を指定することはできません。「少し飲んだから大丈夫」と判断せず、その後の様子も確認します。飲めないこと自体が、受診時に最初に伝えるべき大切な症状です。
05発熱や手足の発疹があるときは、歯科と小児科のどちらへ相談しますか?
発熱や発疹、強いだるさなどを伴う場合は、まず小児科へ相談してください。口内炎だけの問題ではなく、感染症などの全身の病気が関係している可能性があります。
手足口病では口の中と手足などに発疹が出ることがあります。厚生労働省は、子どもを中心に発症し、症状に応じた対応を行う病気として説明しています。口の痛みと手足の発疹がそろっていても、家庭で病名を確定するのではなく、症状と経過を医師へ伝えましょう。[4]
歯科へ予約している日に発熱した場合も、直接来院する前に連絡してください。お口を確認する必要があるか、先に小児科へ相談するかを整理できます。園や学校で似た症状が流行しているか、家族にも症状があるかなど、分かる範囲の情報を添えましょう。
一般的なアフタと感染症に伴うお口の症状は、同じ扱いにはできません。「口内炎は全部うつらない」「全部感染する」と決めつけないでください。手洗いなどの日常の衛生を心がけ、登園・登校の判断は、診断と体調、施設の基準を確認します。口の写真だけを見て登園可能と判断することは避けましょう。
06口内炎がある日は、歯みがきを休んでもよいですか?
傷に歯ブラシを強く当てることは避けながら、痛くない場所を中心に無理のない清掃を続けましょう。痛みが強くて全く磨けない場合は、受診してケアの方法を相談してください。
やわらかい毛の歯ブラシなどを使い、傷をこすらないようにします。口内炎の白い部分は、磨いて落とす対象ではありません。触れると痛い場所を避けつつ、歯に残る汚れを落とすという考え方です。清掃の際の刺激を減らすことは、NHSの一般向け案内でも勧められています。[3]
仕上げみがきでは、口の端を広げすぎると唇の内側の傷が痛むことがあります。「どちら側が痛い?」と確認し、保護者から傷の位置が見えにくいときは、無理に一度で仕上げようとしないでください。普段のブラシと歯みがき粉を受診時に持参すると、使い方の相談に役立ちます。
うがいがまだできない年齢で、自己判断で洗口液を使わせる必要はありません。口内炎が治ったら、普段の清掃へ少しずつ戻していきます。予防については小児歯科のフッ化物の案内もありますが、フッ化物は口内炎を治す薬ではなく、むし歯予防のために使うものです。目的を混同せず、その日の状態に合わせて相談しましょう。
07大人用の口内炎の薬や、以前もらった薬を使ってよいですか?
子どもに使える年齢や用法は製品ごとに異なるため、大人用の薬をそのまま使わないでください。以前の処方薬も、今回の原因に合うとは限らないので、医師・歯科医師や薬剤師へ確認しましょう。
口内炎の治療は、原因や症状に応じて選びます。痛みを和らげるための対応と、原因となる病気への対応は同じではありません。感染症を含むほかの状態を、いつものアフタと決めつけて薬を選ぶことは避けます。
薬について相談するときには、子どもの年齢、体重、アレルギー、服用している薬、発熱の有無を伝えてください。薬の名前が分からなければ、容器や袋、説明書を確認できるようにしておきましょう。家族に処方されたものを分けることも適切ではありません。
また、痛み止めを使ったあとに少し食べられたとしても、水分摂取や全身の状態の確認は続けます。薬を使えば受診しなくてよい、という意味ではありません。英国の資料には現地で使われる製剤も掲載されていますが、本記事はそれを日本の子ども向けに一律に推奨するものではありません。使用の可否や量は、実際の製品とお子さんの状態を確認した専門家の指示に従ってください。
08どれくらい治らなければ、受診したほうがよいですか?
小さなアフタは1〜2週間ほどで改善することがありますが、長引くものや繰り返すものは確認が必要です。痛くて飲めない、症状が増えるなどの変化があれば、その期間まで待つ必要はありません。
NHSは3週間を超えて残る口内炎を受診の目安に挙げています。ただし、これは「3週間は必ず自宅で待ってよい」という指示ではありません。子どもが食べられない、痛みが強い、いつもと違う場所や大きさである場合は、もっと早い段階で相談してください。[3]
一度消えてから別の場所にできたのか、同じ傷がずっと残っているのかも大切です。最初に気づいた日と、その後の変化を伝えられると診察を助けます。本人が「前にもできた」と話す場合は、頻度や、その間に完全に治る時期があるかを確認しておきましょう。繰り返すアフタでは、体調や服薬、ほかの症状も含めた評価が行われることがあります。[2]
原因を栄養不足やストレスだけに決めつけて、サプリメントを増やす必要はありません。口以外の症状がある場合や、持病の治療中の場合は、その担当医にも相談してください。痛みが軽くなっても、傷そのものが残っているときは経過を伝えましょう。
09歯や矯正装置が当たっているときは、どうすればよいですか?
同じ場所に歯や装置が当たり続けている場合は、その刺激を確認する必要があります。装置を自分で削ったり曲げたりせず、担当の歯科医師へ相談してください。
口の中を噛んだり、装置などが粘膜に当たったりすることは、口内炎の原因になる場合があります。[3]「装置を入れたときだけ痛い」「食べると頬を噛む」「尖った部分が触れる」といった状況を整理しましょう。取り外し式の装置を使用している場合は、受診時に装置も持参します。
当院の小児矯正・一期治療を受けているお子さんも、装着時間を自己判断で大きく変えず、痛みが出たときの扱いを担当者へ確認してください。装置が入らない、強く痛むときに無理やり押し込んではいけません。既に渡されている個別の指示がある場合は、それを優先します。
麻酔後に唇を噛んで傷になった場合は、歯科麻酔後の子どもの唇の噛み傷で説明しています。痛みの少ない水ぶくれ状のふくらみなら、唇の内側の水ぶくれ・粘液嚢胞も参考になりますが、いずれも写真だけで診断できるものではありません。
10受診前に、保護者は何をメモしておくとよいですか?
発症した日、飲食の状態、尿の回数、発熱や発疹、使った薬をまとめてください。傷の数や見た目だけでなく、生活にどの程度困っているかを伝えることが大切です。
例えば「昨日の夕食から痛がる」「今朝は水を少しだけ飲んだ」「最後の尿は何時ごろ」「熱は何度」といった短い情報で十分です。写真をきれいに撮ることより、今の状態を正確に伝えることを優先しましょう。園や学校での食事量が分かれば、その情報も役立ちます。
- いつから、どこが痛いか。増えたり大きくなったりしているか。
- 食べられたもの・飲めたものと、おおよその量。
- 発熱、発疹、だるさ、尿の変化があるか。
- 薬、持病、歯科治療や矯正装置との関連があるか。
瑞穂区でお子さんのお口の傷や痛みが気になる場合は、瑞穂みやざわ矯正歯科こども歯科へご相談ください。水分が取れない、全身症状がある場合は小児科への相談を優先し、必要に応じて診療をつなげていきます。口内炎を見つけたときは、原因を急いで決めるより「飲めているか」「元気はあるか」を確認することから始めましょう。
当院の院長について
瑞穂みやざわ矯正歯科こども歯科 院長
宮澤 平
歯学博士
日本矯正歯科学会 認定医
経歴
- 愛知学院大学歯学部 卒業
- 昭和医科大学 歯科矯正学講座 入局
- 昭和医科大学 大学院 歯学研究科 歯学博士号 取得
- 昭和医科大学 歯科矯正学講座 勤務・助教(歯科)
- 日本矯正歯科学会 認定医 取得
- 昭和医科大学 歯科矯正学講座 非常勤
所属学会
日本矯正歯科学会・日本小児歯科学会・日本顎変形症学会・日本口蓋裂学会・日本舌側矯正歯科学会
院長情報は医院公式サイトの掲載情報に基づきます。
参考文献・根拠資料
学会・公的機関の資料や学術論文を参照しています。本文の番号から対応する資料を確認できます。