乳歯が2本くっついている?癒合歯と永久歯・お手入れの確認|瑞穂区の小児歯科
瑞穂区の歯ならび・こどものお口ノート / 36
乳歯の形が気になったら、毎日のケアと生え替わりを一緒に確認しましょう。
当院の院長は宮澤平(歯学博士・日本矯正歯科学会 認定医)です。院長の経歴・資格を見る
01乳歯が2本くっついて見えるのは、癒合歯ですか?
乳歯が幅広く、中央に境目のような溝があるときは「癒合歯(ゆごうし)」の可能性があります。ただし、見た目だけでは決められないため、歯の形と本数を小児歯科で確認します。
癒合歯は、歯ができる過程で隣り合う歯の芽が結びついて育った歯です。生えてから歯みがき不足で2本が接着した、という意味ではありません。乳歯の前歯、とくに下の前歯にみられることがあります。三鷹市歯科医師会も、歯が発育する段階で起こる形の変化として説明しています。[1]
「前歯だけ大きい」「歯の先が二つに分かれている」「左右で本数が違う」と気づくこともあるでしょう。写真検索で似た歯が見つかっても、写真から根の形や歯ぐきの中の永久歯までは分かりません。家庭で一本ずつ数えた結果だけで、永久歯の本数や将来の治療を判断する必要はありません。
まずは、いつ気づいたか、痛みがあるか、食事や歯みがきで困っているかを伝えてください。歯の名称を正確に覚えてから受診する必要はなく、「下の前歯がつながって見える」という説明で構いません。健診で指摘された場合は、健診票も診察時の手がかりになります。
02癒合歯は親の歯みがきや食事が原因ですか?
生えてきた歯の癒合を、保護者の仕上げみがきの失敗と結びつける必要はありません。歯の形成段階の変化と、生えた後のむし歯予防は分けて考えます。
「もっと丁寧に磨いていれば」「離乳食の進め方が悪かったのでは」と自分を責めるより、今ある歯をどう守るかを相談することが大切です。癒合歯と分かったこと自体は、子育てや毎日のケアを評価する結果ではありません。原因を一つに決めつける説明や、特定の食品で歯の形を元に戻せるという情報にも注意しましょう。
家庭で歯を押し分ける、溝を削る、硬いもので境目を広げるといった対応はしないでください。歯の形を変える必要があるかどうかは、汚れのたまりやすさ、むし歯、かみ合わせ、根の状態などを踏まえて検討することです。見た目が気になることと、すぐ処置が必要なことは同じではありません。
お子さんには「変な歯」「失敗した歯」と説明するより、「少し大きな形の歯だから、磨き方を教えてもらおう」と伝える方法もあります。周囲と形が違うことへの不安を強めず、歯科で確認する理由を具体的に話すと、受診の準備にもつながります。
03癒合歯があると永久歯も必ず少なくなりますか?
永久歯の本数に違いがみられる場合はありますが、乳歯が癒合しているだけで「永久歯も必ず足りない」とは決められません。必要に応じた検査と生え替わりの経過から確認します。
乳歯の癒合歯と永久歯の状態を調べた2018年の研究では、永久歯の先天的な欠如などが報告されています。ただし、特定の医療機関を受診したお子さんの診療記録をさかのぼって調べた研究です。対象者の結果を、そのまま目の前のお子さんの確率や将来に当てはめることはできません。[2]
保護者が知りたいのは、多くの場合「何本生えるか」「待ってよいか」「矯正が必要か」でしょう。この三つは、同じ日にすべて確定するとは限りません。現在分かることと、成長後に再確認することを分けて説明してもらうと、必要以上に先の心配を抱えずに経過を追えます。
たとえば「現時点で永久歯の芽は確認できますか」「確認が難しい場合は、いつ何を目安に見直しますか」と質問できます。まだ不明な点が残る場合も、次に確認する目的が分かれば通院の見通しを立てやすくなります。生える時期の心配は、永久歯がなかなか生えてこないときの記事もご覧ください。
04痛くない癒合歯でも歯医者で診てもらった方がよいですか?
痛みがなくても、一度は形・清掃状態・生え替わりの確認を受けるとよいでしょう。急な痛みや腫れがない場合は、通常の小児歯科の予約や健診の機会に相談できます。
確認したいのは「癒合歯かどうか」という名前だけではありません。境目の溝に汚れが残っていないか、むし歯が疑われる部分がないか、食べにくさがないか、ほかの歯との位置関係はどうか、といった点も診察につながります。歯が生えたばかりの時期なら、本人がどの程度お口を開けられるかも含めて進めます。
一方、歯ぐきの腫れ、膿のようなできもの、強い痛み、食べられない状態があれば、形の相談だけだと考えて次の健診まで待たずに連絡してください。顔まで腫れる、発熱を伴ってぐったりするなど、全身の状態が悪いときは早めの対応が必要です。呼吸や飲み込みが難しい場合は救急の相談対象です。
| 気づいたこと | 予約・連絡で伝える内容 |
|---|---|
| 痛みはないが、2本がつながって見える | 場所、気づいた時期、健診での指摘 |
| 溝が黒い・食べ物が残る | 色の変化、みがくときの困りごと |
| 痛み・腫れ・歯ぐきのできものがある | いつからか、食事や睡眠への影響 |
| 乳歯が残り、別の位置から歯が出てきた | 生え始めた場所、乳歯のぐらつき |
05レントゲンはすぐに必要ですか?
撮影の必要性と時期は、年齢や診察で分かること、確認したい内容に応じて歯科医師が判断します。癒合歯らしく見えるお子さん全員に、同じ検査を同じ時期に行うとは限りません。
見えている部分の形だけでは、歯の根や永久歯の状態を十分に評価できない場合があります。そのときに、画像で何を確かめるのかを説明してもらいましょう。反対に、今日の診察とケアの確認を先に行い、経過をみて検査時期を相談する場合もあります。診察なしにインターネット上の情報だけで撮影の要否を決めることはできません。
以前に別の歯科医院で撮影したことがあれば、その時期と説明された内容を伝えると役立ちます。画像の共有が可能かどうかは医療機関同士の確認も必要になるため、ご自身の判断で資料を取り直す必要はありません。検査を怖がるお子さんについても、できたこと・苦手だったことを先に共有してください。
診察では「今回の検査で何が分かりますか」「結果によって今日の対応は変わりますか」「今すぐ分からない点はありますか」と聞いて構いません。検査の枚数の多さではなく、お子さんの状態に必要な情報を集められているかが大切です。
06つながった部分の溝はどう磨けばよいですか?
溝と歯ぐきの際に毛先が届くよう、仕上げみがきで確認します。深さや形は一人ひとり違うため、診察時に実際の歯を見ながら歯ブラシの当て方を教わりましょう。
癒合歯では境目の溝にむし歯がみられることがあり、先の研究でも清掃・予防と経過観察の重要性が示されています。[2]「幅広い歯の表面をなでているだけになっていないか」「唇側だけでなく裏側にも汚れがないか」を確認する視点が役立ちます。強くこするほどよく落ちるとは限らないので、力の入れ過ぎにも気をつけます。
フロスは、独立した歯と歯の間を清掃する道具です。つながっている部分を無理に通して分離しようとせず、使う場所を歯科で確認してください。家庭で迷ったときは、普段使っている歯ブラシやフロスを持参すると、道具の大きさや動かし方を具体的に相談できます。
むし歯予防には、その歯だけでなく食事・間食の取り方やフッ化物の活用も関わります。年齢に合った歯みがき剤の選び方や量は、小児歯科のフッ素の案内と合わせてご相談ください。溝の色が気になっても針でつついたり削ったりせず、着色かむし歯かを診察で確かめましょう。
07癒合歯は削る・分ける・抜く治療が必要ですか?
癒合歯という理由だけで、一律に削ったり抜いたりするわけではありません。むし歯や痛み、清掃の難しさ、生え替わりへの影響などから対応を考えます。
何も処置せず経過をみる場合にも、目的があります。今の歯を守ること、変化を早く見つけること、永久歯への移行を確認することです。「様子をみる」と説明されたら、次に受診する時期と、予定より早く連絡する変化を聞いておきましょう。通院間隔はむし歯のリスクや成長段階により異なります。
むし歯がある場合は、その深さや症状に応じた治療の検討が必要です。癒合歯の形だけで処置内容や費用を決めることはできません。お子さんのむし歯治療では、歯の状態と本人の協力度を見ながら進め方を相談します。複雑な状態であれば、必要に応じて対応可能な医療機関との連携を検討します。
保護者が外見を気にしている場合も、その気持ちを伝えて構いません。ただし、見た目のためにすぐ歯を分ける方がよいとは限りません。「処置をする利益」「歯に加わる負担」「今は処置せずみる選択」を比較し、説明を聞いてから方針を決めることが大切です。
08生え替わりや歯並びで気をつけることはありますか?
乳歯が抜ける経過、永久歯の生える場所、歯の本数とかみ合わせを続けて確認します。癒合歯があるだけで小児矯正が必須になるわけではありません。
三重県歯科医師会の資料では、癒合した乳歯が抜けにくい場合や、後から生える永久歯の本数に違いがある場合に触れています。[3]ほかのお子さんと抜ける時期が違うことだけで急ぐ必要はありませんが、永久歯が別の場所から出てきた、左右の生え替わりに気になる差がある、噛みにくそうといった変化は診察の手がかりになります。
歯並びの検討では、一つの歯だけでなく、あごの成長やお口全体のスペースも確認します。装置で本数を増やせるわけではなく、永久歯の状態が分からないまま特定の装置を先に選ぶことも適切ではありません。小児矯正の必要性や時期は、検査と成長の経過から判断します。
当院では小児歯科と矯正歯科の診療を行っています。小児矯正・Ⅰ期治療の案内も参考に、「今はケアを続ける時期か」「歯並びについて詳しく調べる時期か」を相談してください。将来の抜歯や追加治療を必ず避けられると約束するものではありません。
09瑞穂区で癒合歯を相談するときは何を準備すればよいですか?
健診票、これまでの歯科受診歴、気になった変化を整理しておくと相談しやすくなります。特別な写真撮影や、保護者による歯の診断は必要ありません。
普段の仕上げみがきで「どこに毛先を当てればよいか分からない」「子どもがその場所だけ嫌がる」など、具体的な困りごとも大切な情報です。症状のないときの写真がすでにあれば見比べる参考になりますが、嫌がるお子さんのお口を無理に引っ張って撮る必要はありません。
相談の際は、次の四つをメモしておくと、帰宅後のケアや通院の予定につなげやすくなります。
- この歯の形について、今分かることと今後確認すること。
- 家庭で磨く場所と、道具の使い方で注意すること。
- 次回の診察時期と、その前に連絡した方がよい変化。
- 永久歯や歯並びについて、どの段階で評価を見直すか。
瑞穂区で乳歯の形や生え替わりが気になる方は、瑞穂みやざわ矯正歯科こども歯科の小児歯科へご相談ください。すでにかかりつけで経過をみている場合は、そこでの説明や予定も共有し、お子さんの情報がつながるようにしましょう。
受診後の説明は、ご家族の間でも共有しておくと、別の方が仕上げみがきをするときに迷いにくくなります。通園・通学の健診で再び指摘された場合も、受診先で経過観察中であることと次の確認時期を伝えられるよう、メモを残しておきましょう。
当院の院長について
瑞穂みやざわ矯正歯科こども歯科 院長
宮澤 平
歯学博士
日本矯正歯科学会 認定医
経歴
- 愛知学院大学歯学部 卒業
- 昭和医科大学 歯科矯正学講座 入局
- 昭和医科大学 大学院 歯学研究科 歯学博士号 取得
- 昭和医科大学 歯科矯正学講座 勤務・助教(歯科)
- 日本矯正歯科学会 認定医 取得
- 昭和医科大学 歯科矯正学講座 非常勤
所属学会
日本矯正歯科学会・日本小児歯科学会・日本顎変形症学会・日本口蓋裂学会・日本舌側矯正歯科学会
院長情報は医院公式サイトの掲載情報に基づきます。
参考文献・根拠資料
学会・公的機関の資料や学術論文を参照しています。本文の番号から対応する資料を確認できます。